椅子に座り、呼吸にあわせて肘を回す
(1)椅子に姿勢よく座り、右手の指先を右肩に置きます。
(2)この状態でまず息を吸い、続いて息を吐きながら肘を真上に上げていきます。
(3)そして息を吐いたまま、肘を横から下ろしていき、一番下にきたときに息を吸います。
(4)このように、肘が一番下のところからスタートして、4つ数えながら肘を回します。
その間、ずっと息を吐いたままで、肘が一番下に戻ってきたら息を吸います。これを左右とも5回ずつやってみてください。
肘を上げたときに肋骨も上がるのがわかるでしょう。これにあわせて息を吐くと、横隔膜も一緒に上がります。
このように、肋間筋が動いて肋骨を上げるのと横隔膜が上がるタイミングをそろえるのがポイントです。肋骨が上がれば、横隔膜の動きが妨げられることなく、伸び伸びとドーム状に盛り上がることができます。
逆に、肋骨が上がっていないタイミングで息を吐くと、横隔膜が十分に広がるスペースがないというわけです。
骨盤底筋群を締める
肘回しの動きがマスターできたら、次は呼吸と一緒にインナーユニットを連動させます。
インナーユニットは横隔膜や腹横筋によって構成され、そのなかに内臓が収められています。呼吸によって横隔膜が動くのにあわせて、インナーユニットの底側にある骨盤底筋群を動かしていきます。
そのためには、息を吐きながら肘を回すときに、骨盤底筋群をグッと締めます。そして、肘が一番下にきて息を吸うタイミングで骨盤底筋群を緩めます。こうすると、息を吐いているときに内臓がグッと上がり、吸っているときに緩めることができます。骨盤底筋群を締めるためには、肛門をグッとすぼめます。
これがうまくいかないという人は、椅子の座面に巻いたタオルを置いて、その上に5分程度座ってみてください。こうすることで骨盤底筋群に刺激が入り、タオルを取り除いた後、締めやすくなります。
ただし、「お尻に力を入れて締める」のはNGです。人はお尻を締めようとすると、肛門ではなく大殿筋に力が入ってしまいます。大殿筋はむしろ緩んでいることが大切で、骨盤底筋群をふわっと締めるイメージで動かします。
中野ジェームズ修一
フィジカルトレーナー
米国スポーツ医学会認定運動生理学士
スポーツモチベーション 最高技術責任者
競技力向上やけが予防から、ロコモ・生活習慣病対策まで、身体機能を高めることでさまざまな課題を解決に導く「フィジカルトレーナー」の第一人者。東京・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」の技術責任者を務める。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』『すごい股関節』(いずれも日経BP)などベストセラー多数。

