とはいえ、そこを気にし過ぎると数字にばかり目を奪われてしまいます。
完全に守りに入ってしまっては、攻めのキャリアが望めなくなるという側面があります。
不安は拡大していくものです。
幻かもしれないその不安に押され、本当に自分がやりたいことを我慢するようだと、本来進めるべき老活が遠のいてしまいます。
そもそも「老後2000万円問題」は、年金収入と支出の差額から試算された目安です。
受け取る年金であれ、セカンドステージで費やす支出であれ、その人のこれまでの働き方や生活スタイルによって大きく変わります。
すべての人に当てはまるわけではないことは、明らかです。
老後資金は「生き方」から逆算して考える
数字に惑わされるのではなく、これから先どう生きたいか、何をして過ごしたいか、誰と過ごしたいか、何をしているときが楽しいか、といった問いを自分に投げかけてみましょう。
1人では難しいなら、家族とお互いに質問し合うのも一つです。
実際にやってみると、真っ先にいくらほしいとはならないはずです。
ライフプランが見えてくると、理想的な働き方が見えてきます。
身体が動く限り働きたい。
ワークライフバランスを重視し、働くペースを落としたい。
完全に趣味の世界に生きたい……など自分の価値観に合ったスタイルがあります。
プランに合わせて、働くスタイルが変わります。会社や組織を離れ、独立して働く。
これまでと違う業種で、パートやアルバイトとして働く。
嘱託や業務委託として引き続き会社の仕事を続ける。
といったように色々な選択肢が用意されています。
先々の働き方が分かれば、現役時代の内にいくら貯めておきたいといった目標値がだんだんと浮かび上がります。
さらに言えば、必要な資産額は、ライフスタイル、住居(持ち家か賃貸か)、健康状態、そして何歳まで生きるかによって大きく変わります。
人生色々であるように、老後資金は人それぞれです。
老後はいくらなければならないという数字に惑わされるのではなく、自分のライフプランにとって必要な金額を想定し、その実現に向けて逆算して計画を立てることです。
あなたの生き方に合わせて、無理のない形で資産を準備していきましょう。
岡 信太郎
人生設計のプロフェッショナル。司法書士(司法書士のぞみ総合事務所代表)、キャリアコンサルタント。北九州出身。
関西学院大学法学部卒業後、司法書士試験に合格し、2012年に独立開業。

