「前職ではもっと評価されていた」「有名人と仕事をしたことがある」
職場に一人はいる自慢話が多い人に、うんざりした経験は誰にでもあるだろう。また、成果を自分の手柄のように語ったり、話題をすぐに自分の昔話にすり替えたりする上司や同僚にモヤモヤしたこともあるかもしれない。
川原礼子さんは、そうした人たちの背景には「認められたい」という強い欲求やコンプレックスが隠されていると指摘する。
著書『やさしさを武器にする 気疲れがなくなる伝え方』(講談社+α新書)から、一部抜粋・再編集して紹介する。
「自慢しい」な人は劣等感を隠している?
周囲を疲れさせる人のなかに、「自慢しい」がいます。
私が訪れたことのある職場にも、「前職では20代の頃から省庁の仕事を担当して、周囲よりも年収も高かったんだよね」「有名人の○○とは、一度仕事で一緒になってよく飲みに行ったなー」……。
聞いてもいないのに、過去の手柄や華やかな人脈を並べ立てる、絵に描いた「自慢しい」がいました。
彼の「どうだ、すごいだろ!?」という猛烈なアピール。合わせる周囲の作り笑顔には、はっきりと〈めんどくさい〉という文字が浮かんでいるようでした。
アドラー心理学ではこうした「自慢しい」の状態を「優越コンプレックス」と呼びます。
実は「優越コンプレックス」は、「劣等コンプレックス」と表裏一体。深い劣等感を隠すために、あたかも自分が優れているかのように振る舞ってしまうのです。
そもそも、本当に自信がある人は、自慢なんてしません。彼も、大手から不本意な形で転職してきた人でした。〈なぜ私がこの職場なんかにいるのか〉という思いがあったのでしょう。ただ、「その職場」で誇りを持って働いている人たちにしてみれば、なんとも失礼な話でした。

