欧米の気象機関がAIを使った気象予報モデルを運用しており、最近、ネット上で閲覧できるようになった。2026年に日本に来た台風の予想進路では、従来予想モデルよりもAIの方が比較的好成績との評価だ。
欧米で運用されるAI気象予報
ただ、ひとくちにAIと言っても、AIの中でも実力差があり、すべてのAIが進路予想を当てているかというとそうとも言えない。
このような中、今回の台風30号では、物理学計算による従来の予想モデルにおいて、日米欧がそれぞれ違う進路を予想していて、まっすぐ西に進んで中国大陸に向かうモデルもあれば、東シナ海を北上して、日本列島へと向きを変えるモデルもある。
また、日を追うごとにその予想が変わってしまう状況だ。
一方、AI予想は、米欧で進路が全く違うものの、20日までに予想では日ごとの変化が小さく、それぞれの予想において一貫性があるように感じる。
ざっくり言うと、アメリカ海洋大気庁のAIは中国大陸へ、ヨーロッパ中期予報センターのAIは沖縄付近で右に曲がって、西日本から東日本へと進む予想だ。
日本の気象庁は、まだAIを運用していないが、アンサンブル予報と言って複数の予測モデルを走らせていて、この予想でも、まっすぐ西に進んで中国大陸に向かうのと、本州方面に向かうのと、2つに割れている。さらにその割合が日ごとに変化してしまう状況だ。
台風30号は、どの進路をたどるのか、気象予報士の間でも意見が割れているが、本州方面を予想しているヨーロッパのAIを支持する人が多いように感じる。
気象庁の台風予想も、昨日19日は大陸方面に向かう予想だったが、今日20日の予想では本州方面を指向している予想だ。
いろいろな予想があるが、気象庁の台風予想は防災や減災を目的に、国民に向けた情報であり、この役割は大きい。
日本に影響する台風の予想は、近い将来、日本が一番当たることを期待したい。
【執筆:フジテレビ気象センター三井良浩(気象予報士)】

