カツオの町・高知県の中土佐町でこの時季にのみ味わえる「メジカの新子」。8月は不漁が続いていたが、ここにきて豊漁が続いている。(取材日:9月14日)
鮮度が命!「朝釣った新子は昼までに食べろ」
中土佐町にある久礼大正町市場。平日の朝8時半過ぎにもかかわらず、メジカ小屋の前にはすでに長い行列ができている。
お目当ては、マルソウダガツオの幼魚である「メジカの新子」だ。鮮度が落ちやすく、「朝釣った新子は昼までに食べろ」と言われるほど。
例年であれば8月下旬には水揚げが始まるが、2026年は異変が起きていた。8月27日には、漁に出た4隻すべてが水揚げゼロ。
そんな状態が3日間も続いており、司丸の女将さんも「こんな年は初めて」と頭を抱えるほどの深刻な不漁だった。
待望の豊漁!活気を取り戻した市場
しかし、その数日後から事態は好転。9月に入ってからは徐々に水揚げが増え始め、最近は豊漁状態だという。
幸進丸の又川さんは「作っている段階でお客さんが『おいしそうなにおいがするね』と喜んでくれる」と笑顔をみせる。ここ4日間は豊漁で、1日に200匹ほどさばいているという。
定番の食べ方は、特産の柑橘「ブシュカン」の皮をすりおろし、果汁としょうゆをたっぷりとかけるスタイル。
初めての食感に観光客も大絶賛
実際に口に運んでみると、その食感に驚かされる。かむと身が押し返してくるような強い弾力があり、まさに「モチモチ」という表現がぴったりだ。ブシュカンのさわやかな香りが鼻に抜け、いくらでも食べられそうな味わいである。
観光客からの評判も上々で、京都から訪れた人は「めっちゃプリプリしておいしい」と絶賛。大阪から訪れた3人組も「全然違う。この歯ごたえとモチモチ感は初めての食感で、めちゃめちゃ貴重」と笑顔を見せた。
今年は「10月の終わりごろまで」楽しめそう
地元の田中鮮魚店の田中社長は、現在の状況をこう語る。
「9月に入ってからはずっと“絶好釣”状態!海水温が高すぎて、産卵が少し遅れて始まったのかもしれない」と分析しつつ、不漁の時には地元の久礼八幡宮へ神頼みをしたというエピソードも明かしてくれた。
気になるのは、メジカの新子がいつまで食べられるかだ。田中社長によると、2026年は少し時期が遅れているため、10月の終わりごろまで楽しめる可能性があるという。群れが入ってきてはまた途切れる、という波を繰り返しながら10月いっぱいまでは味わえそうだという。
メジカの新子の入荷状況は、「なかとさ観光協会」のホームページや、久礼大正町市場のアーケードにあるモニターで確認できる。電話やメールでの問い合わせは対応していない。
この秋は、高知が誇る“幻の味覚”を求めて中土佐町へ出かけてみてはいかがだろうか。
