熊本地震で甚大な被害を受けたイオンモール宇城にあったクリニックが、元の場所で診療再開のメドが立たないことから、敷地内の駐車場に仮設の診療所を設けて診療を続けています。
イオンモール宇城にあったクリニック
今回の熊本地震で震度6強を観測した宇城市小川町の避難所には、8月21日に診療にあたる医師の姿がありました。イオンモール宇城にある『ダイヤモンドシティクリニック』の桑原仁士医師です。

ダイヤモンドシティクリニックは1997年の開業以来、約30年にわたり、子供から高齢者まで幅広い年代の患者に寄り添い、地域医療を支えてきましたが、今回の地震で建物や医療機器などに様々な被害を受け、現在もクリニックは立ち入りできない状態が続いています。

生まれも育ちも小川町。自身も被災者でありながら桑原医師は発災直後から地域医療を支えました。桑原医師は「一生懸命雑巾がけしていたら、妻が『雑巾がけは誰でもできるから、あなたは行っておいで』と尻を叩かれた。『本当は行きたいんでしょう』と。お見通しだった」と話します。

家族の応援もあり、クラウドファンディングで支援を募りながら、9月2日にはイオンモール宇城の駐車場にプレハブの仮診療所を開設し、多くの患者が途切れることなく訪れます。かかりつけの患者は「行き慣れたところが話しやすいし、色々な状況も聞かれる」や「ここは(通い始めて)もうだいぶ長い。ここにいらっしゃると思うと安心、近くにいらっしゃるから」と話します。
患者と同じ目線で寄り添う姿勢
周囲からの応援が励みになると話す桑原医師。困っている患者と同じ目線に立って、親身に寄り添う姿勢は地震前から変わりません。

桑原医師は「ケガはなかったか、家は大丈夫か、テーマはこの2点だね。家が全壊の人もいるから。いつもの医療をいつものようにお届けする。それだけ。『80歳まで仕事させてください』と、それだけできたら人生100点じゃないか」と話します。

「困ったときに頼れるクリニック」、「いつもの場所でいつもの先生に会えるように」と、元の場所での再開のめどは立っていないものの、新たな一歩を踏み出しています。

熊本県によりますと、県内では273の医療機関で今回の地震による被害がありました。また、宇城保健所によりますと管内にある63の医療機関のうち1カ所が今回の地震で閉鎖、2カ所が診療を休止しているということです。
(テレビ熊本)

