熊本地震における文化財の被害、八代市の松浜軒で行われている『文化財レスキュー』です。倒壊した蔵からは現在の当主が見たことがない品も出てきました。
熊本地震で被災 国指定名勝『松浜軒』
八代市の松浜軒は1688年、肥後細川藩の家老・八代城主だった松井直之が母・崇芳院尼(すいほういんに)のために建てた御茶屋で、国指定の名勝です。震度6強を観測した八代市の中心部に位置し、主屋や蔵など、ほとんどの建造物が倒壊しました。

一般道に競り出すように倒壊している『巽蔵』、現在この蔵の解体が行われていて、それと並行して文化財レスキュー、蔵の中の文化財などを取り出し、安全な場所に保存する活動が実施されています。

これまでに武具や絵画、人形、書物などが救出されていて、9月8日は松井家当主が見たことのない、『江戸時代後期の八代城主の印鑑』も出てきました。第14代当主の松井葵之さんは「押したものを見ることはあるが、印鑑そのものを見ることはなかなかない。残ってたんですね。(先祖は)大事にしていたんですね」と驚いた。

出てきた印鑑は松井家8代目・督之とみられるということで、蔵の中には松井家で代々受け継がれてきた、まだ知られていない貴重な品があるのかもしれません。
10年ぶりに実施される文化財レスキュー
熊本県文化課・主任学芸員の竹原明理さんは「松井家は長い歴史があるし、熊本の歴史を知る上で重要な史料がたくさん含まれているというのを、この量を見て改めて思います」と話します。

今回の文化財レスキューは、国が熊本県などと連携し立ち上げた救援事業となっていて、県内では10年前の熊本地震以来ということです。

第14代当主の松井葵之さんは「文化庁の皆さま以下、活動していただき大変ありがたく思っています。これを境に新生・松浜軒のスタートだと自分に言い聞かせ、皆さんの力添えを得ながら、八代市民の心の故郷でもありますから」と話します。

松浜軒の文化財レスキュー、蔵の解体とともに当面続けられる見通しです。
(テレビ熊本)

