ジャーナリストの鈴木哲夫さんが、木村知事に単独インタビューを行いました。発災直後、木村知事が最も優先したことや、防災庁の地方拠点誘致への新たな決意を聞きました
「命をいかに守るか」 10年前の教訓
防災庁設置の有識者会議のメンバーで、8月30日にTKUの報道特別番組に生出演したジャーナリストの鈴木哲夫さん。今回、熊本地震の陣頭指揮に当たっている木村知事に、単独インタビューを行いました。

【鈴木哲夫氏】
「今度の地震で知事の中で優先順位があると思う。優先順位をどうつけて、何からやっていたのか」
【木村敬熊本県知事】
「優先順位という面では『命』をいかに守っていくか、10年前の地震の大きな経験の一つ。教訓で、悔やんでも悔やみきれないのが、電気・ガス・水道が止まって、機能が停止した病院がある。病院を転院する間に病状が悪化して、災害関連死で亡くなった人が相当数いる」

10年前の熊本地震による、県内の犠牲者は275人。そのうち、地震で直接亡くなった人は50人で、災害関連死が全体の8割を占めます。熊本県がまとめた資料では、関連死の中でも、医療機関の機能が停止したことによる治療の遅れが16.4パーセントと死因の上位を占めています。

【木村敬熊本県知事】
「今回4つの病院が機能不全に陥ったけれど、入院していた450人は一両日中に全て病院間搬送を終えて、それで病状が重篤化したケースは、ひと月たっても聞かれていない」
『対口支援』の初動と今後の課題
【鈴木哲夫氏】
「もう一つ聞きたいのが人の問題。県の職員もやることはいっぱいある。人の応援って大事」
【木村敬熊本県知事】
「10年前より一番進歩したのが、自治体で国が間に入って職員を全国から送り込む仕組みができた」

東日本大震災で採用され、10年前の熊本地震の後に制度化されたのが国の応急対策職員派遣、いわゆる『対口支援』です。今回も総務省が間に入り、全国の自治体が、指定された被災自治体に職員を派遣。8月31日までに、のべ約2万6000人が被災地で避難所の運営や罹災証明書の受け付けなどの支援業務を行っています。

木村知事は対口支援の初動を評価する一方で、一つの課題を示します。

【木村敬熊本県知事】
「ただ、これから9月、10月が、もっとプロの職員が要る。例えば道路の再建や農地の再生の技術職。避難所には高齢者や障害者が増えていく。ケアをする看護師や保健師の『師業』の人が必要。これからもっとプロの力が必要になるときに、新しい人的支援の在り方が試される」
「この地震で手を下ろすことはない」
また、これまで防災庁の地方拠点として手を挙げていた熊本県としての知事の考えを改めて聞きました。

【鈴木哲夫氏】
「(防災庁の下部に)防災局を全国につくろうと進んでいて、積極的に木村知事は「熊本に」という意思があったと思うけれども、今回の地震で、そのあたりは」
【木村敬熊本県知事】
「防災庁の地方機関は九州や西日本の代表として、熊本に来てほしいと思っている。私は手を挙げているし、この地震で下ろすことはない。むしろもっと手を挙げている」
10年前の『K9』 今回の『ミニ防災庁』
【鈴木哲夫氏】
「国に対して現場の知事から「こうしてほしい」とか最後に」
【木村敬熊本県知事】
「私が最初にお願いしたことは国の現地対策本部を作ってくれと。これは防災庁のミニ版を熊本につくってほしいと」
【鈴木哲夫氏】
「『K9』ですね」
【木村敬熊本県知事】
「それを要請したら2日後につくってくれた」

『K9』とは、10年前の熊本地震で熊本につくられた国の現地対策本部を指す言葉。10年前には各省庁から、局長や審議官級のトップが熊本に入ったことで、『ミニ霞が関』とも呼ばれ、被災地の現状を見て、県の幹部と意見を交わすことで、実情に即した支援策が生まれたといいます。

木村知事は、今回の個人の敷地内での応急仮設住宅の設置や、個人の井戸への対応など国の新たな支援策にも、『K9』の役割は大きいと話します。

【木村敬熊本県知事】
「現地対策本部がいわゆるミニ防災庁が(被災地の)ニーズを汲んでくれたから。防災庁ができた暁には、各省庁でバラバラになりそうなニーズや現場の声、制度の欠陥やもれをしっかりと把握する防災庁になってほしい。そうすれば防災庁が機能する。防災庁が現場の代弁者となって各省庁と議論してくれたら。必ず防災庁は上手くいく」
(テレビ熊本)

