熊本地震で甚大な被害を受けた「イオンモール宇城」にあったクリニックが元の場所で診療再開のメドが立たないことから当面の間、敷地内の駐車場に仮設の診療所を設けて診療を続けています。
【ダイヤモンドシティクリニック桑原 仁士 医師】
「家では140ぐらいですか?いつもの量を出しておきます。今回は30日分」
今回の熊本地震で震度6強を観測した宇城市小川町の避難所には8月21日、診療にあたる医師の姿がありました。
イオンモール宇城にある「ダイヤモンドシティクリニック」の桑原 仁士 医師です。
「ダイヤモンドシティクリニック」は1997年の開業以来、約30年にわたり子供から高齢者まで幅広い年代の患者に寄り添い、地域医療を支えてきましたが今回の地震で建物や医療機器などに様々な被害を受けました。
現在もクリニックは立ち入りできない状態が続いています。
生まれも育ちも小川町。自身も被災者でありながら桑原医師は発災直後から「地域医療」を支えました。
【ダイヤモンドシティクリニック桑原 仁士 医師】
「一生懸命雑巾がけしていたら妻が『雑巾がけは誰でもできるからあなたは行っておいで』と尻を叩かれた。『本当は行きたいんでしょう』と。お見通しだった」
家族の応援もあり、クラウドファンディングで支援を募りながら9月2日にはイオンモール宇城の駐車場にプレハブの「仮診療所」を開設しました。
【患者とのやりとり】
「体はご無事でしたか?」「体は何とか…。ただ片付けているからもう…。
「家はあちこちやられた?」「あちこち…。この暑さだから20~30分したらダメ、20~30分して1時間休んで全然進まない」「進まないですね」
【患者とのやりとり】
「(子供の)ずっとお腹が緩くて」「どれぐらい?」「2週間・・・」
「めちゃくちゃ食べてるでしょ。心配いらない」
多くの患者が途切れることなく訪れます。
【患者】
「行き慣れたところが話しやすいし、色々な状況も聞かれる」
【患者】
「ここは(通い始めて)もうだいぶ長い。ここにいらっしゃると思うと安心、近くにいらっしゃるから」
周囲からの応援が励みになると話す桑原医師。
困っている患者と同じ目線に立って、親身に寄り添う姿勢は地震前から変わりません。
【ダイヤモンドシティクリニック桑原 仁士 医師】
「ケガはなかったか、家は大丈夫か、テーマはこの2点だね。家が全壊の人もいるから。いつもの医療をいつものようにお届けする。それだけ。『80歳まで仕事させてください』と、それだけできたら人生100点じゃないか」
「困ったときに頼れるクリニック」。
「いつもの場所でいつもの先生に会えるように」。
元の場所での再開のめどは立っていないものの、新たな一歩を踏み出しています。
