被災地で開設される避難所では、過去に性暴力被害も起こっています。総合危機管理アドバイザーの三沢おりえさんに、性被害を防ぐ環境づくりの工夫について解説してもらいました。
文=三沢おりえ
「そんな話を聞くと、避難所に行きたくなくなります」
防災セミナーで、避難所での防犯について話したあと、参加者からそう言われたことがあります。
気持ちは、よくわかります。ただ、過去の犯罪を知ったから、怖いから行かない、では守れるものも守れません。ストレスの感じ方は人それぞれなので、無理に自分の負担になるような怖い話を聞く必要はないと思っています。ただ、知っておくのは、そこで過ごせるようにするためです。
実際、今回の令和8年熊本地震でも、内閣府は「避難所チェックシート」を使うことや、性被害やDVのリスクを支援する側で共有すること、避難所のことを決める場にも女性が入ることなどを呼びかけています。
これまでの災害でわかってきたことを、次の被害を防ぐために生かす。避難所の防犯も、少しずつそういう考え方に変わってきています。
被害に遭うのは女性や子どもだけじゃない
避難所では、多くの人が急に同じ場所で生活します。仕切りが十分ではない、トイレまでの道が暗い、死角がある、知らない人が近くで寝る。普段の生活とはまったく違う環境です。
また、過去の災害では、避難所などプライバシーを守ることが難しい環境で、盗難だけではなく性暴力なども報告されています。被害に遭うのは若い女性だけではありません。高齢者や子供(男児を含む)、男性も被害に遭う可能性があることは、知っておいてほしい点の一つです。
ただ、ここで言いたいのは、周りの人を疑いましょう、ということではありません。

