弘法大師空海のお手植えとされ、24年前に惜しまれながら伐採されたマツが“復活”した。善通寺市にある四国霊場八十八カ所の寺で、拡張現実・ARを使い、境内にマツのある風景が再現されたのだ。
空海の母親の菩提寺、善通寺市の第72番札所の曼荼羅寺。
境内にはかつて空海お手植えとされる「不老松」があった。24年前までこの場所にあり、お遍路さんにも親しまれた名木。これが現在、スマホを写真にかざすと‥‥伐採前の姿がよみがえってくるのだ。

高さ4メートル、直径17メートル。樹齢1200年を超え、県の自然記念物にも指定されていた「不老松」。
曼荼羅寺の高吉清文住職によると「現物(「不老松」)を見た人がだんだん少なくなっている。若い人に昔こういうものがあったと知ってほしい」との思いから、歴史的遺産と最新技術の融合で寺の歴史に触れてもらおうと、ARによる「不老松」の再現を企画したという。

◆「「お遍路さん」の心を癒やしたマツだった…」松くい虫の被害に遭いやむなく24年前に伐採された
「不老松」は2001年から2002年にかけて松くい虫の被害に遭い、薬剤などを注入したが、回復することなく2002年の夏に伐採されることになった。
当時は約150人が集まり、惜しまれながら姿を消した。伐採にあたり、先代の住職・高吉清順さんはOHKの取材に対し、このように悔しさを表現した。
「「お遍路さん」の心を癒やしたマツだった」
「残念を通り越し、苦痛です。苦しみです」

◆伐採後に幹の一部で彫られた「弘法大師像」に「仮想のマツの画像」が重なる仕組み
その後、マツのあった場所には幹の一部で彫られた弘法大師像が安置されている。
現実の風景に重なる「仮想のマツの画像」。寺の新たな魅力となりそうだ。

◆無料アプリをDLし「ここに来ないと見られない」曼荼羅寺のシンボルをお参りのきっかけに
高吉清文住職は「寺のシンボルを復活させたかった。ここに来ないと見られない…(ARで)お参りの人を増やしていきたい」と語る。
ARの「不老松」を見るには曼荼羅寺のホームページから専用の無料アプリのダウンロードが必要。なんと「自撮り」もできるそうだ。
(岡山放送)

