停滞する秋雨前線の影響で記録的な大雨が続く日本列島。
福島県ではアンダーパスで車が水没し、女性1人が死亡しました。
事故を防ぐために必要なことは何なのでしょうか。
千葉・館山市では24時間雨量が341mmに達し、観測史上最多となりました。
7日午後11時半現在、レベル5「土砂災害特別警報」が発表されている伊豆諸島の東京・新島村と大島町、利島村。
その新島村で撮影された映像には、山肌から水が流れ出し滝のようになっている様子が映っていました。
撮影者:
山ばっかりなので土砂崩れ起きたら、どうしようというのが一番不安。
新島村では7日午前9時40分までの24時間で、観測史上最多となる485mmの雨量を観測しています。
一方、福島・いわき市では、県が冠水危険箇所に指定していたアンダーパスが冠水し、車2台が水没。
1台は自力で脱出しましたが、もう1台では60代の女性が死亡しました。
自力で脱出することができた人の叔父が当時の状況について、「朝の通勤途中に通ったときは、前に水たまっている感覚はなかったらしい。最初バックしようとしたらしいが、タイヤが空回りしてバックできなかった。多分、車浮いたと思う」と語りました。
なぜ車はアンダーパスに進入してしまったのでしょうか。
自力で脱出した人の叔父:
裏道だから結構スピードも出すだろうし、急にガクンと下がっているから、水がたまっているかどうかは見えない。気づいたときには水たまりの中という感じになったのでは。初めての経験だったから死ぬんじゃないかと思ったと。
冠水したアンダーパスで相次ぐ事故。
7日、千葉市のアンダーパスでは、全国で初めて予防的な通行止めが実施されました。
8月の千葉豪雨での冠水による死亡事故を受け、国交省では、レベル4「大雨危険警報」が発表されたり、1時間の雨量が50mmに達した場合、全国7カ所のアンダーパスで予防的な通行止めを実施するとしています。
一方、全国にあるアンダーパスは3841カ所。
最近では、アンダーパス内の浸水をセンサーが感知すると、布製のバルーンが膨らんで道路を封鎖する「エアー遮断機」への問い合わせが急増しているといいます。
各地に被害をもたらしている秋雨前線は9日ごろまで停滞し、西日本から東北にかけて総雨量が多くなる恐れがあります。
8日夕方までの24時間に予想される降水量は関東甲信と北陸で100mm、近畿で150mm、東海で120mmとなっています。
土砂災害などに厳重に警戒してください。
アンダーパスでの水没について、危機管理防災アドバイザーの田中章さんに伺いました。
―― アンダーパスに水が張っている状況というのは気付きにくいものなんでしょうか。
危機管理防災アドバイザー・田中章さん:
気付かないですね。アンダーパスもそうなんですけど、普段、道路の低い所を意識して車で走る人っていないですよね。雨水というのは、降った先で水平を保とうとしますから、低い所、低い所に集まってくるんですよ。
―― ドライバーの目線で見えるアンダーパスは?
危機管理防災アドバイザー・田中章さん:
そこに雨水がたまってしまうと、その表面が道路に見えてしまうんですよね。ドライバーの視界からは水面しか見えませんので、水の深さを測ることができないです。水面が特に光って見えますので、まして、前から対向車あるいは街頭の光でその水面がきらきらしていますと、それが地面に見えてしまう。深さを感じなくなってしまうんです。それで通行ができるだろうということで入ってしまうこともありますね。
それと、前の車が進行していくと、どうしても“そこについていけば安全だろう”という気持ちが働くんだと思います。ちょっと水の抵抗があって“車が重く感じるぞ”と、そういったときにはもうスピードを緩めてもらって、それ以上進まないということ。いったんと止まる勇気と戻る勇気、あと迂回路ですよね。迂回路を探していただく。なるべく高い所走っていただくということを心掛けた方がいいと思います。
―― 冠水場所に入り動けなくなったら?
危機管理防災アドバイザー・田中章さん:
車が動かなくなってしまったら、完全に脱出するしかないですよね。ですからドアが開かなくなる前に、まず窓を開けていただいて、自分の脱出する所をつくっていただく。電気系統がだめになって窓が開かなくなったときには脱出手段はありませんので、緊急脱出用のハンマーでガラスをたたいて脱出していただく。あとは自動車の中のシートにヘッドレストがあるじゃないですか。これ抜いていただくと2本金具が出てきます。それをガラスと内張りの間に差し込んでいただいて、3cmぐらい差し込んでいただいてヘッドレストの部分を手前に引くことで、てこの応用でガラスがぱんと割れます。
冷静になったときにはこう考えられるんですけど、普段からこういう脱出方法もあるんだということをいつも頭に入れておいていただければと思います。こうなったら、こういう動きをしようという危機意識、危険予知を高めていただければと思います。
