企業の公式サイトやネット通販サイトで、消費者を誤解させて事業者に有利な選択へ誘導する「ダークパターン」による“意図しない損失”が、推計3兆円を超えたことが分かった。

被害規模は2年前から約2倍に拡大しており、消費者庁は9月2日、規制強化へ乗り出した。
消費者庁が規制強化
インターネットを利用した際、次のような経験をしたことはないだろうか?
「×がロゴにかぶってて見つかりづらいみたいな。意図的に隠されてるなみたいな」

「サブスクの解約で、退会するのに、ページを何回も行ってやっと行けるみたいなのがありますね。本当にいいんですか?本当に解約するんですか?みたいな」
「定期契約を2個して、それを外したと思ったら、1個は一生何か送られてくるから、あれ?って。化粧品とかで、3000円の方はずっと続いたままだった」
企業の公式サイトやネット通販サイトで、分かりにくい表現で消費者を誤解させ、事業者が有利な方に誘導する「ダークパターン」による“意図しない損失”は推計3兆円を超え、2年前から約2倍に急増した。
9月2日、ついに消費者庁が規制強化に乗り出した。
「アルファベット・スープ」
「消費者にとっては、金銭的な損失だけでなく、自分が愚かに思える心理的・感情的ダメージもあります」と警鐘を鳴らすのは、ダークパターン研究の第一人者で、東京科学大学とケンブリッジ大学で教鞭をとるケイティ・シーボーン氏だ。

ケンブリッジ大学准教授 ケイティ・シーボーン氏:
日本人は相手に対する信頼の期待値が遥かに高いのです。だまされたときに自分を責める傾向があります。
「うっかりミスをした」「自分がバカだった」と罪悪感を抱いてしまうのです。
「ダークパターン」は大きく7つの手口に分類される。

例えば、広告を閉じようとして、「×(ばつ)」を押しても全く反応せず、一番小さく書かれた「閉じる」を押さなければ、広告は閉じない。

これは、離脱や拒否を難しくする「妨害型」と呼ばれるダークパターンだ。
一方、タイムセール終了までのカウントダウンを表示し、購入を急がせるパターンもある。

実際にはカウントダウンが終わっても割引が続いているケースも多く、これらは「緊急性」を偽ったダークパターンに分類される。
そして、特に日本人がだまされやすいという手口が…。
ケンブリッジ大学准教授 ケイティ・シーボーン氏:
「アルファベット・スープ」と呼ばれるもので、数年前に私が日本で見つけたダークパターンです。
例えばこちらの価格表記では、数字の前に「¥(エン)」マークが付けられていて、一見「年間129円」に見えるが、実はこれ、中国の人民元を表す通貨記号でもある。

ケンブリッジ大学准教授 ケイティ・シーボーン氏:
悪質なデザイナーは、両通貨に共通する曖昧な記号を使って、中国人民元の価格を適用するというトリックを用いているのです。
実際、日本円ではなく、中国人民元で決済され、購入額が数十倍の価格だった報告も多数上がっているという。
日本人なぜダークパターンに弱い?
なぜ、日本人がこの手口に弱いのか。

ケンブリッジ大学准教授 ケイティ・シーボーン氏:
日本には特有の文化的価値観があります。
欧米には存在しないような「おもてなし」の精神です。
日本の「おもてなし」精神が、“企業が消費者を欺くわけがない”という信頼に繋がり、違和感を覚えにくくなっているという。
ケンブリッジ大学准教授 ケイティ・シーボーン氏:
ビジネス界としても「信頼の喪失」です。つまり消費者・ビジネス界の両方に、大損害となるのです。
(「Mr.サンデー」9月6日放送より)

