2026年4月に開校した秋田・由利本荘市の本荘東小学校。その吹奏楽部が、創部からわずか3カ月余りで県吹奏楽コンクール金賞を受賞し東北大会出場を決めた。未経験者も多い新設校バンドを支えるのは、音楽への憧れと仲間との絆だった。
開校1年目でつかんだ快挙
由利本荘市の本荘東小学校吹奏楽部は、3~6年生までの40人で活動している。
2026年4月に開校したばかりの学校だが、7月の県吹奏楽コンクールで金賞を受賞。創部からわずか3カ月余りで東北大会への切符をつかみ取った。
部長の佐藤麗さんは、結果を聞いた時の心境を「ほっとした」と振り返る。
新しい学校での活動に加え、楽器未経験の部員が多かったことから、「正直に言うと東北大会に行けるとは思っていなかった」と話し、予想以上の結果に驚いた様子を見せた。
吹奏楽への憧れをかなえた新しい学校
本荘東小学校は、旧小友小と旧子吉小の全児童、旧尾崎小の一部児童が通う新設校だ。
旧尾崎小には吹奏楽部があったが、ほかの2校にはなく、現在の部員の約半数は4月に楽器を始めたばかり。異なる学校から集まった子供たちが、一つのバンドとして成長を続けている。
トランペットを担当する6年生の高橋六花さんもその1人だ。
以前から吹奏楽に興味を持っていたが、「子吉小では吹奏楽部がなく、今やっとやれた」と笑顔を見せる。
一方で、「始めたばかりで分からないことや間違えることもあるので、先にやっている6年生、5年生に教えてもらっている」と話し、先輩たちの支えを力に変えている。
初心者と経験者が生み出すチーム力
創部1年目のバンドを率いるのは、吹奏楽指導30年以上のベテラン、運藤良和先生だ。
運藤先生は「意外と小心者の子が多くて、合奏中はとてもおとなしいが、終わるとにぎやか」と、部員たちの素顔を語る。
また、「今まで吹奏楽がなかった学校の子供たちがずっと『楽器をやりたい』と思っていて、隣の本荘東中学校に行ってから吹奏楽部に入る子がいっぱいいた」と話し、小学校のうちから吹奏楽を経験できる環境ができたことを喜んでいる。
経験者が未経験者を支え、学年を超えて教え合う雰囲気は、本荘東小吹奏楽部の大きな強みとなっている。
『フェスティーヴォ』に込める思い
東北大会で演奏するのは、ネリベル作曲の『フェスティーヴォ』。金管楽器を中心とした華やかな響きと、美しい旋律との対比が魅力の吹奏楽の定番曲だ。
本荘東小の演奏は、金管・木管ともに豊かな音圧を持ち、中低音の厚みが感じられる力強いサウンドが特徴。
部長の佐藤さんは「フェスティーヴォはかっこいい曲なので、決めるところは決める感じでやりたい」と、本番への意欲をのぞかせる。
一方の運藤先生は、「県大会で色々なアクシデントがあったので、そこを克服して、その時点でできる一番いい演奏ができればと思う」と話す。
「賞の色にはこだわっていない」と語る言葉には、結果以上に音楽そのものを大切にする思いがにじむ。
自分たちらしい音を届けるために
新設校として歩み始めた本荘東小学校。その歴史とともにスタートした吹奏楽部も、短期間で大きく成長を遂げた。
東北大会で目指すのは、自分たちらしい演奏を披露すること。
吹奏楽への憧れを胸に集まった40人が、9月5日に秋田市のあきた芸術劇場ミルハスのステージで、これまで積み重ねてきた努力の成果を響かせる。
(秋田テレビ)

