アメリカのトランプ大統領が北朝鮮の金正恩総書記と年内に会談する意向を示すなど北朝鮮をめぐる動きが出始めている。こうした中、忘れてはいけないのは拉致問題だ。早期救出を願い、横田めぐみさんが拉致された当時と同じ年代の中学生たちが拉致現場を視察した。
「会うつもり」トランプ大統領が“米朝首脳会談”の意向示す
8月19日、記者団から北朝鮮の金総書記と年内に会談する予定があるか問われたアメリカのトランプ大統領は「会うつもりだ」と答えた上で「彼とは非常にうまくやっている」と関係の良さを強調している。
このトランプ大統領に期待するのが、拉致被害者家族だ。
2025年にトランプ大統領が来日し、「私たちはこの問題を忘れたことはない。再び皆さんに会えて光栄。私どもでやれることはやる」と声をかけられた拉致被害者家族。
横田早紀江さんは「今度、金正恩氏と会われた時は、必ずこの問題について適切な言葉をかけていただけるのではないかと期待している」と述べていた。
横田めぐみさんが拉致された現場を中学生が視察「つらい」
米朝首脳会談への期待が高まる中、国内でも拉致問題解決への世論を喚起していくことが重要だ。
19日、拉致被害者・横田めぐみさんが通っていた新潟市中央区の寄居中学校に集まった8人の中学生。

拉致問題への理解を深め、11月に新潟市で開かれる早期解決を訴える県民集会で自分たちの考えをまとめた動画を発表し、広く情報発信することを目指している。
講師の話を聞きながらめぐみさんの足取りが途絶えた交差点や海までの道のりを歩いた生徒たち。
母・早紀江さんが泣きながら夜の浜辺を探し歩いたことなど、当時の状況に耳を傾けた。

参加した生徒は「新潟の海は私たちからすると本当にきれいな海だと思うが、早紀江さんのような周りの人がつらい思いをした因縁のある場所だと考えると少しつらい気持ちになる」と口にした。
視察後はさっそく、現場で感じたことを言葉にし、絵コンテに落としこむ作業に取りかかっていた。
県民集会では生徒たちがグループごとに考案した動画が上映される。
めぐみさんの弟・拓也さんが講演 政府へ怒りも「なぜ50年近くも放置」
こうした中、新潟市中央区では拉致問題について話し合う新潟県内の市町村長の会が開かれ、横田めぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さんが講演した。
拓也さんは「こうした日常が皆様にもあった、つまり、この拉致問題というのは“横田さんの家の特別な事件”ではなくて、どこにでもある、普通の家庭で起きた事件だった。一日でも早く助けてあげたい。その思いで、必死で活動している」と話した。
横田さんは姉のめぐみさんが拉致された49年前の状況を伝えるとともに、なぜいまだに助け出せないのかと政府に対するいらだちも訴えた。
「なんで50年近くも放置されているんだという怒りがいつも絶えない」
また、娘の帰りを待ち望んでいる90歳の母・早紀江さんについては「めぐみと母・早紀江が抱き合える日が一日でも早く来ればいいと思っています」と話した。
市町村長の会はこの日の総会で、拉致問題の早期解決に向け、若年層向けの啓発セミナーや巡回パネル展を実施していくことを確認した。

