2026年で戦後81年。「語り継ぐ」と題してシリーズの3回目。戦後生まれが人口の約9割となった今、戦争を知らない世代が記憶をどう継承するのか、平和学習に取り組む中高生の思いを取材しました。
広島に原爆が投下されてから81年。被爆者の平均年齢は86歳を超え、日本の人口の約9割が戦後生まれとなりました。この前日、献花台に向かい手を合わせていたのは岡山市の山陽学園中学・高校のJRC部の生徒たちです。
「核兵器をなくすための署名活動にご協力お願いします」
厳しい暑さの中生徒たちが行ったのは日本政府に対して核兵器廃絶を訴える署名活動。生徒たちはこの日のために自ら作ったパネルを持ち大きな声で呼びかけました。
「・・・ありがとうございます」
この日は約80人の署名が集まったと言います。「広島原爆の日」を前にドームの近くには国籍や年齢を問わず多くの人が行き交い、生徒たちにも様々な感想がありました。
(山陽学園高校2年 中村小遥さん)
「意外と外国の人も自分から署名に来てくれた印象」
(山陽学園中学2年 中磯千奏さん)
「海外の人で「平和はつくれない」というようなことを言っている人がいて、そういう意見もあるかと、新しい発見。そういった人にも平和はつくれると諦めずに伝えたい」
8月2日、JRC部の生徒や大学生などは岡山県原爆被爆者会のメンバーとの交流会に参加しました。現在、メンバーの平均年齢は87歳と高齢化が進み、戦争を直接知らない2世の語り部も多くいます。
(参加した大学生は…)
「若い世代は実際に(戦争を)体験した人と100%同じようには理解できない。それでも戦後81年がたち、生の声が聞けなくなる中でつないでいかなくてはならない。理解しきれない中でどう理解したら良いのか。葛藤がある」
(県被爆者会のメンバーは…)
「父が被爆者で語り部の活動をしていたので、色々な意見や当時の話を聞き、何となく想像はできるが自分なりに勉強してきた。なぜ戦争が起きるのか。なぜ核廃絶ができないのかなど。そういったことも皆さんと話したい。私たちも分からないが、高校生はもっと分からない」
「初めて語り部活動に参加したのは50代になってから。色々葛藤したがもう分からないから何かある時には常に参加するようにした」
戦争を知らない世代が、戦争について知り語り継ぐ時代へー。その葛藤や模索は2世にも生徒たちにも同じくありました。
(山陽学園高校1年 柴崎愛華さん)
「話を聞いているだけではイメージはできても、実際につらさを体験していないので継承するのは難しい部分があるが、自分の心に残すだけでなく実際に文字に起こして後の世代に伝えていくのが大事に思う」
様々な思いを胸に平和活動に取り組む生徒たち。JRC部では9年前から広島で研修を行っています。
(山陽学園JRC部顧問 緒方康之教諭)
「ここに来たことがきっかけになったり資料館を見たことがきっかけになったり、われわれがきっかけを与えていくのが継承につながるのではと思う。(戦争を)自分事として考えて、ある日突然始まるとこんなに悲惨な状況になると戦争は起こしてはいけないというのを基本に色々考えて行動できる人になってほしい」
(山陽学園高校2年 國定美優さん)
「悲惨な状態になった人や家族と離れて寂しい思いをした人などたくさんつらい思いをした人の気持ちを知れて良かった」
(山陽学園中学2年 庄司千帆海さん)
「自分が体験していないから言葉にできない部分もあるが(戦争を知る人が)だんだん少なくなっている中で、自分たちもさらに次の世代に伝えていきたいし、活動を通して知ってもらえたら」
若い世代が戦争についてどう知り、理解し、記憶をつないでいくのか。できることを一つずつ、生徒たちの歩みは続きます。
