ロマンス詐欺の認知件数の内訳は男性が約6割。
しかし、男女40代~60代の増加率に目を向けると、高い順から50代の男性、そして、60代の女性、50代の女性と続きます。
こうした年代の女性がロマンス詐欺の被害に遭うケースが、ここ最近も複数報告されています。
7月、60代女性が被害に遭ったロマンス詐欺事件。
逮捕された岡山県の会社員の男は、ある人物をかたって女性に近づきました。
それは、アメリカの起業家イーロン・マスク氏です。
男は仲間と共謀し、マスク氏に成り済ましてメッセージを送信しLINEに誘導。
熊本・上天草市の65歳の女性から合わせて70万円をだまし取った疑いが持たれています。
男らは本物のマスク氏のXをフォローしていた女性に偽のアカウントからDMを送り、生成AIで作った画像などを使ってやり取りをしていたとみられています。
7月から8月13日までに全国で発生したロマンス詐欺による女性の被害は、イット!が調べたところ12件にのぼりました。
京都府の被害では億超えの“巨額被害”のケースもありました。
京都府在住の60代女性は2025年、SNSを通じて男性を名乗る見知らぬアカウントとやりとりを始めます。
すると、「金の取引で利益が出る」と投資話を持ちかけられて指示に従い、約10万円分の暗号資産を購入し送金してしまいます。
女性は嘘のサイト上で「利益が出た」と思い込んで、相手をさらに信じてしまいます。
その後も「税金」や「手続きのため」など送金や振り込みを要求され、あわせて1億9500万円をだまし取られました。
被害女性は、警察に対して「やりとりを重ねたことで親近感を持ち、信頼してしまった。詐欺だと思わなかった」と話しているということです。
こうして今急増している50~60代女性の被害。
明星大学・心理学部の藤井靖教授はこんな特徴を指摘します。
ロマンス詐欺の手口の一つは、心理学では、「ラブボミング(愛の爆撃)」と呼ばれるそうなんです。
これは、関係初期の段階で過剰なほどの愛情表現や褒め言葉で感情を揺り動かして依存・コントロールさせる。
傾向として共感性が高い人だと自分も好きだと思ってしまう。
藤井靖教授いわく、女性に影響しやすい傾向にあるということで、藤井教授が実際に話を聞いた被害者の中では、「私が救ってあげなきゃ」「人を助けたい」など、心理学用語で「ケア思考」の人も多かったといいます。
中でも、50~60代女性は子どもが独立するなど生活環境が変化し、孤独感に詐欺師がつけこんでくるおそれがあるそうです。
SNS上でお金を請求されたときは、すぐに振り込まず、家族や警察に相談するようにしてください。
