詐欺の疑いで逮捕された元全仏女王のプロテニス選手・平木理化容疑者(54)が12日、別の事件をめぐって詐欺未遂の疑いで再逮捕されました。
平木容疑者は恋愛感情を利用して金銭をだまし取るロマンス詐欺に関与したとみられています。
2つの事件で被害に遭ったのはいずれも女性で、海外で働く男性医師を名乗る人物からSNSなどでメッセージが届き金銭を要求されたということです。
平木容疑者は「全く心当たりがありません」などと容疑を否認していますが、こうしたロマンス詐欺は近年増加しています。
警察庁によりますと、2026年上半期の特殊詐欺による被害額は1816億円と過去最悪で、中でもロマンス詐欺の認知件数は年々増加していて、2年で倍以上に。
世代別で見てみると、40代~60代が全体の約75%を占めました。
拡大するロマンス詐欺。
なぜ多くの人がだまされてしまうのでしょうか。
「イット!」は実際に被害に遭った男性を取材しました。
「イット!」が話を聞いたのは、香川大学名誉教授で法学者の高倉良一さん(72)。
ロマンス詐欺の被害に遭ったのは2年前。
きっかけは、定年退職後の片付けの様子をあげた過去のSNS投稿でした。
香川大学 名誉教授・高倉良一さん:
(投稿を)見て、相手の女性からの友達申請があった。
相手は中国に住む「愛子」と名乗ります。
頻繁にやり取りを重ねるうちに、高倉さんは愛子について、こう感じるようになったといいます。
香川大学 名誉教授・高倉良一さん:
教養のある人だなと、知性の高い人だなと。私のことを理解し、向いてる方向、志を共有できる、そんな人だと思った。
高倉さんのことを“兄さん”と呼ぶようになった愛子。
これまでのやりとりでは度々、“伯父から投資の指導を受けている”と話していました。
すると、知り合ってから3週間ほどたったある日、「兄さんは愛子と一緒に未知の分野に挑戦したいですか?」と投資話を持ち掛けてきたといいます。
香川大学 名誉教授・高倉良一さん:
愛子という人物が直接投資を勧めてきたら乗らなかった可能性が高い。(愛子が)伯父さんの指導を受けてやってますとワンクッション置いてる。
指定された口座に5万円を振り込むと、愛子から「投資は順調に増えている」といった内容の知らせが届きます。
ところが、投資で増えたという利益に関して、「凍結を防ぐためにさらにお金を払う必要がある」といった通知が来るようになり、高倉さんはさらに追加でお金を振り込みます。
中には、1回で350万円を求められたこともあったそうです。
香川大学 名誉教授・高倉良一さん:
宝石類を売却したり、自己資金は190万円くらいかな。何人かの友人からお金を借りたり(して工面した)。
高倉さんは、お金を工面するためマンションまでも売却。
この間、愛子からは「投資の説明をすると、銀行は処理を遅らせるかもしれません」「兄さんは友達同士の送金だと説明できます。そうすれば、不要なトラブルを避けることができますよ」という連絡が来ていました。
香川大学 名誉教授・高倉良一さん:
愛子とのやりとり、(愛子の)伯父さんという人とのやりとりもしている。(だまされていると)頭の片隅にない。
5カ月間で総額900万円以上を振り込んだ高倉さん。
愛子と連絡が取れなくなり、ようやく事態の深刻さに気が付いたといいます。
香川大学 名誉教授・高倉良一さん:
(Q.なぜだまされてしまったか)私がそもそも、申し上げたかもしれないが、だまされるという発想そのものがすっかり抜けていた。(向こうの)最終目標はお金ですね、だけどその前に、こちらの心を奪いに来るんですよ。
