猛暑日の屋外遊びでは、子供が思わぬやけどを負うリスクがある。子供の皮膚は大人より薄く、同じ温度でも深くまで熱が伝わりやすい。専門医に受診の目安や“いざ”というときの正しい応急処置を聞いた。
気温31度でも滑り台は70度超え…公園の遊具に潜む危険
公園は子供にとって身近な遊び場だが、夏には見落とされがちな危険が潜んでいる。東京都が行った実測調査によると、気温が31度でも、直射日光を浴び続けた公園の滑り台の表面温度が70度を超えるケースが報告されている。
公園で遊んでいる親子に話を聞くと「暑い日は滑り台が一番危ないと思っている」といい、実際にわが子が「ふくらはぎの後ろが滑り台のところにジュッと当たって、しばらく赤みが引かなかったことがある」という。
大人であれば一瞬で熱さを感じて離れられるが、子供はそれが難しい場合もある。
東京都の注意喚起資料によると、65度以上の石材や55度以上の金属に10秒以上触れると、やけどを負う恐れがあるとされている。

公園の滑り台や鉄棒、ベンチの金属部分はいずれも、猛暑のさいはリスクが伴うことになる。
2歳以下は熱さへの反応が遅く特に要注意
なぜ子供はやけどのリスクが高いのか。福井赤十字病院の形成外科部長、岡本仁医師は次のように説明する。
「子供の皮膚は大人と比べるとすごく薄く、同じ温度でもやけどが深くなり重症化しやすい特徴がある」
さらに2歳以下の子供は熱いものに触れても反射的に手を引く反応が遅れる傾向があり「接触している部分が赤くなったり、ひどくなると水ぶくれができたりする」と岡本医師。
つまり、やけどになりやすい上に、重症化しやすいという二重のリスクが子供にはあるのだ。
見落とされがちなのが、日陰の危険性だ。岡本医師は「日陰でも44度ぐらいになっていた場合、1時間も座っていると、低温やけどになることがある」と警告する。一見すると安全に思える日陰でも、夏場は危険な場合があるのだ。
また、車内のチャイルドシートも要注意だ。ある母親は「車に乗ろうとした瞬間『熱っ』となった」と話す。特にチャイルドシートの金具部分は高温になりやすく、乗せる前に手で触れて確認することが必要だ。
やけどをしたら「流水で5〜15分」氷やアロエはNG
万が一やけどをしてしまった場合、岡本医師が勧めるのは流水による冷却だ。「蛇口をひねって流水で5分から15分冷やしてもらい、それから病院に来てもらうのが一番」と話す。
ただし、冷やし方には注意が必要だ。「氷で冷やすのは冷やしすぎになるので良くない」とした上で、アロエを塗る行為についても「雑菌がいるものを塗ると感染することがある」と述べる。
民間療法は避け、清潔な流水で冷却し受診することが大切だ。
服を着ている場合も「無理に脱がすと水ぶくれの部分が破けてしまうことがある」といい、服の上から冷やすのが正しい対応だという。
やけどが手の平より大きければ受診を
病院へ行くべきかどうかの目安について岡本医師は「手のひらのサイズよりも大きいやけどであれば来てほしい」とする。また、やけどの範囲にかかわらず、小さな子供や、顔、手などの場合は受診を勧めている。
子供のやけどを防ぐために大人にできることとして、遊具で遊ばせる前に、まず大人が手のひらで触れて温度を確認することが基本的な対策。ベビーカーやチャイルドシートの金具も、子供を乗せる前に確認する習慣をつけたい。
それでも、やけどしてしまった場合は、流水で5分から15分冷やす。猛暑日が続く夏、子供の安全を守るため、日常の中の小さな習慣と、正しい応急処置を身に着けておこう。

