外に出るだけで体力を奪われるような、うだるような暑さが続いています。
京都市では15日連続で35度以上の猛暑日を記録。街の人たちは手持ちの扇風機やひっきりなしの自販機補給で、文字どおり”命がけ”の夏を乗り切っています。
そんな中、関西テレビの田中友梨奈アナウンサーが見つけたのは、”暑ければ暑いほどお得になるサービス”を展開するお店の数々。
ピンチをチャンスに変える、涙ぐましくも逞しい現場レポートをお届けします。
■京都の街は37.8度、住民の本音は?
【田中アナ】「京都市内にやってきました。現在午前11時前なんですが、手元の温度計では37.8度となっています。もう、むしっとしていて暑いです」
街ゆく人たちに話を聞くと、暑さへの”疲労感”がにじみ出てきました。
小学校時代の同級生グループの女性は、「小学校の時の最高気温は28度です」と振り返り、「10度高いですね。信じられないです」と苦笑い。暑さ対策は「用事以外は家の中で涼しく過ごす」と、シンプルかつ正直な答えが返ってきました。
外回りの仕事をしているという男性も、1日に自動販売機を5か所ほど立ち寄り、飲み物だけで「1000円弱」を使うと明かします。
【男性】「無理ですね。命に関わると思うんで」
暑さをしのぐための出費は、もはや”節約不可能”な領域に入り込んでいるようです…。
■京都祇園の老舗焼肉店では酷暑日に”ドリンク1杯無料”
最初に田中アナが訪れたのは、京都・祇園で創業から60年以上の歴史を誇る老舗、「焼肉の名門・天壇」。
厳選された部位だけを使った”天壇ロース”を、牛骨スープをベースにした黄金色のつけたれにくぐらせて食べる…それが天壇流です。
猛暑の影響については、屋上席を希望していたお客さんから「中のフロアに変更したい」という声も届いているとのこと。
そこで同店が打ち出した”おっカネ〜サービス”が、「ファーストドリンク無料」です。
【焼肉の名門・天壇 広報 春日尚也さん】「40度を超える酷暑日というのが気象庁に設定されたということで、せっかくご来店いただけるお客様に何か還元できないかということで始めております。
前日の気象庁の最高気温予想が40度を超える場合、翌日サービスさせていただいてるという形になります」
前日の午後5時時点で、気象庁の最高気温予想が40度超えとなった場合、翌日の来店客全員に最初の1杯が無料で提供されます。
■なんと売り上げもアップ
早速、7月23日にはサービスが実施され、ドリンク130杯・およそ8万円分が無料で提供されました。
それでも、35.3度の猛暑日だった1週間前の16日と比較して、売り上げはなんと4割以上アップ!
お客さんの財布にも優しく、お店の売り上げにも貢献する。まさに”どちらも得”という結果です。
【春日さん】「この企画が、お客様の背中を押すような企画になればなと思っております」
■行列を作る大阪の青果店
この日の大阪は36.7度の猛暑日。にもかかわらず、開店前から行列ができているお店があるといいます。
【田中アナ】「野菜がある……青果店みたいです? 100円、100円、100円! 安すぎますね。じゃがいもも100円、しめじも100円、にんじん2袋で100円ですよ」
その正体は、「池田屋青果店」。オクラ2袋100円、青ネギ3束100円……ほとんどの野菜がすでに”おっカネ〜価格”です。
なぜここまで安くできるのか?
【池田屋青果店オーナー 池田正仁さん】「商品全てB級品。キュウリが曲がっている、スーパーの返品、訳ありの野菜・果物。それを大量買いすることで、安く提供できる」
2本150円の大根が売れても、仕入れ値が1本70円なら経費を引いた利益はわずか10円。レタスも2玉90円で仕入れ、2玉売れても利益は10円…これが”通常営業”です。
■「ありえない!」果物を赤字で販売
その上でさらに、夏場の”特別策”があります。
【池田さん】「果物を赤字で販売する」
スイカは1玉あたり仕入れ値600円のところ500円で販売。つまり1個売るたびに100円の赤字。桃は2個300円の仕入れを200円で販売。メロンやバナナまで赤字確定で並んでいます。
【田中アナ】「ありえない!」
夏場は客足が通常の半分以下に落ち込むといい、この赤字サービスをやることで「3割戻ってくる」と池田さんは言います。
【田中アナ】「こんだけ安くても3割ってなると、かなりギリギリのところですよね」
【池田さん】「ギリギリですね、はい」
それでも、常連客の信頼は揺るぎません。
■利用客「だからここ来てんねん」
利用客に果物が赤字で売られていると伝えると…。
【利用客】「すごいね。3分の1ちゃうか」
【田中アナ】「他の青果店さん行けなくなりません?」
【利用客】「だからここ来てんねん」
なぜここまでするのか。オーナーの言葉は、シンプルかつ力強いものでした。
【池田さん】「生活かかってるんで、行列を作るってことですね。このまま頑張れるとこまで頑張りますよ」
■猛暑で「人が歩いてない」 普段は30人来店が「4、5人」に
最後に田中アナが訪れたのは、箕面駅すぐそばにあるうどん屋さん「kitchen suu(キッチンスー)」。
入口には猛暑日割引の告知が、なんと4枚も貼り出されていました。
【田中アナ】「4枚も貼ってあるじゃないですか。なかなかの主張が」
【kitchen suu オーナー 兼松宏子さん】「猛暑日割引ということで、全品200円割引ということでやらせていただいてます」
【田中アナ】「200円割引! 結構大きくないですか?」
【兼松さん】「もうそれぐらいしないと。全然人歩いてないですよ、この辺。35度を超えたぐらいから、誰も歩いてなくって」
普段は昼に平均30人ほど来店するところ、猛暑になると……。
【兼松さん】「ちょっと恥ずかしいけど、4人とか5人」
■猛暑日なら全て200円引き
秋には箕面の紅葉目当ての観光客が戻ってくるものの、ここ1〜2年で夏の暑さがぐっと増し、ことしは特に厳しいといいます。
【田中アナ】「今の状態が続いたら、やっていけるんですか?」
【兼松さん】「絶対無理です!」
ズバリ、正直すぎるほど正直な答えです…。
それでも、お店の人気メニュー「揚げナスおろし梅胡椒うどん」は、猛暑日なら通常1200円のところ1000円に。おからを使ったヘルシーな定食や、デザートとドリンクがついたセットメニューも、すべて200円引きになります。
■本音は「儲けたい!」 「夏バテしてても食べれる」うどん
田中アナが実際に揚げナスおろし梅胡椒うどんをいただいてみると。
【田中アナ】「麺もつるっとしてて、もっちもち。梅肉が効いてて最高です。夏バテしてても食べられる」
【田中アナ】「割引したら、経営的には痛いところもあるけど、それでも呼びたいってことですか?」
【兼松さん】「いや、そんなことないです。そら儲けたいですよ」
【田中アナ】「本音がポロっと! 楽しいですね、お母さんとしゃべってると。この暑いのなんて、もうどうでもよくなるくらい楽しいです」
【兼松さん】「じゃあ、明日もお待ちしてます」
(関西テレビ「newsランナー」2026年7月31日放送)
