現状、多くのSNSでは年齢は自己申告であり、厳密な年齢確認は行われていない。これを徹底しようとすれば、身分証の提出などが必要になるが、それは膨大な数の未成年者の個人情報をプラットフォーム事業者が扱うことを意味する。
プライバシーや情報管理の観点から、新たなリスクが生じる可能性は否定できない。
また、規制を逃れる行動が広がる可能性もある。裏アカウントの作成や、親や他人の名義を借りた登録、規制対象外のプラットフォームへの移行などが起これば、表向きの規制が強まる一方で、実態としてはより安全対策の弱い場所に子どもたちが流れる懸念もある。
オーストラリアではすでにそのような問題が発生しているとも報じられる。制度が意図せず、リスクの見えにくい空間を拡大させてしまう可能性がある点は見落とせない。
さらに、SNS上のトラブルの原因をすべて技術やサービスそのものに帰してしまう考え方にも注意が必要だ。誹謗中傷やいじめは、SNSが登場する以前から存在してきた。
問題の多くは人間関係や集団の力学に根ざしており、SNSはその舞台がオンラインに移ったにすぎない側面もある。制度が「使わせない」ことだけに焦点を当てれば、問題の構造を単純化しすぎる恐れがある。

