揺れる福岡県議会で、新たな火種となるかもしれない出来事が発生した。“金銭授受疑惑”などの渦中にいる自民党県議団の会長が、熊本地震直後に『ビアパーティー』と称する政治資金パーティーを開いていた。

なぜ今?『ビアパーティー』開催

「もう、吉松さんと中尾さんは、今、泥仕合のようになっておりますので…」(7月27日)と話す自民党県議団会長の松尾統章県議(53)。正・副議長のポストを巡る“金銭授受疑惑”の現状を泥仕合と称した。

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当選は実に7回、13年前には、議長も務めているが、吉松源昭県議(58)らが“料亭でお車代として50万円を手渡した”という『幹部5人衆』のうちの1人で、疑惑の渦中にいる人物でもある。

7月27日に開かれた自民党県議団の総会で、金銭授受はなかったと断じて言えるかと記者団に問われた松尾会長は、「自信を持って言えます。私は、お車代とかもらっていません」と答えていた。

日に日に疑惑が深まる中、県議団の先頭に立ち、信頼回復に努める立場の松尾会長だが、今、一部から非難の的となっている。

というのも7月28日午後6時から、北九州市内のホテルで政治資金パーティーを開催したのだ。

パーティー券には、『ビアパーティ』と記載されていて、会費は食事付きで1万5千円。余興として、ものまね芸人のショーも準備されていた。

松尾会長の政治資金を生むこのパーティーは、毎年、夏場に開かれていて、例年600人ほどが参加していたという。

しかし今回は、県議会に批判が集まる中での開催となり、自民党県議団の内部からも「会長として中止にすべき」といった声が若手を含めて多く上がっていた。

それでも松尾会長は、開催を決断。直前には、震度7の熊本地震が発生し、例年に比べ参加者が少なくなる中、松尾会長は壇上に立った。「福岡県議会議員として、今、この状況だからこそ、自分の言葉でしっかりと説明をしなきゃいけないと思っております」と挨拶した松尾会長。

高額な海外視察問題の反省や今後の対策、金銭授受疑惑については、自らの潔白や調査方法を20分ほどにわたって述べた。その後、パーティーは予定通り進行し、ものまね芸人のショーは、アンコールもあったという。

知事「不適切ではないか」

これを受け、福岡の人達はー。

「いやー、もうちょっと信じられないです。『今やるのか』というところで、『悪いことしたな』って思われていないんだなという印象」(40代女性)。

「ビアパーティーとなったら、やっぱり県民からの支持率は下がると思うし、どうしても印象は悪くなってしまいますね」(20代女性)

「考えられないですね。熊本の方では地震で悲惨な状態でやっている中でね、『何を考えてやられてるんだろう』って気はします」(70代男性)

服部誠太郎・福岡県知事(71)も「今回の場合は、やはり発災したと。本県においても、我々は災害警戒本部を直ちに立ち上げている。リスク管理・対応として、特に飲食を伴うならなおのこと、パーティーを開くということは、不適切ではないかと」(7月30日)と苦言を呈した。

身内である自民党の或る若手県議は、「せめて、本人が挨拶の後、退席していれば…。もう、庇いようがない。熊本の県議達に会わせる顔がない」と苦渋の表情を浮かべた。

松尾会長「正直、やってよかった」

そんな状況下、渦中の松尾会長は「支援者の方々にもある意味、相談はしました。(支援者から)言われたのが、『自分の口でしっかりと多くの方々に今のことを説明すべきではないか』。その言葉が、ある意味決め手になった」と開催に至る経緯を説明。そして、「正直、やって良かったと思います。生の声でした。肌感覚で私の説明した後に、いろんな声を聞けたというのは、私自身においても“気付き”があった」と話した。

しかし、純粋に県政報告ならビアパーティーは中止しても良かったのでは?と問われると、松尾会長は、「つまり県政報告だけを行うということ?その辺は、ある意味迷いましたけれども、私の一方通行になってしまうと。私自身が説明し、皆さま方から意見をいただく。これが大事と思っていた」と答えた。

松尾会長は、このタイミングでなぜ、政治資金パーティー開催に踏み切ったのか?別の形での説明会は用意できなかったのか?熊本県内では、地震関連による死傷者の数が増え続け、猛暑の中、懸命な復旧作業が続けらている今、県民の理解は果たして得られるのか?松尾会長の判断が新たな火種となり、自民党福岡県議団全体への逆風が強まる恐れもありそうだ。

(テレビ西日本)