28日に熊本地方で発生した最大震度7を観測した地震。

被災地では、揺れによる直接被害だけでなく、避難生活の長期化に伴う「災害関連死」が懸念されています。

京都大学巨大災害研究センターの中野元太准教授は過去のデータをもとに「避難開始から3カ月以内に、災害関連死の8割が集中する」と注意を呼びかけました。

家具の転倒防止から車中泊のリスクなど、今取るべき備えを整理します。

■“災害関連死”2つの8割「地震の発生から3カ月以内」「70歳以上」

中野准教授がまず示したのは、2016年熊本地震と東日本大震災の災害関連死に関するデータです。

災害関連死として亡くなった方のうち、約8割が地震発生から3カ月以内に集中していました。さらに、亡くなった人の約8割が70歳以上の高齢者でした。

【中野元太准教授】「これから3カ月以内に、どうやって特に70歳以上の方に注目しながらケアをしていくのか。それに加えてこの暑さですから、より多くの方が亡くならないようなケアを積極的にやっていくことが大事だと思います」

熊本地震では、災害関連死が225人と報告されています。

■週明けには熊本で「40度」予想も

被災地・氷川町から中継した吉原キャスターは、現地の過酷な状況を伝えました。

【吉原キャスター】「現在、午後5時半近くにもかかわらず、直射日光と照り返しが続き、気温は30度を超えています。さらに停電によってエアコンが使えない状態が続いており、週明けには40度に達するとの予想もあります。

停電でエアコンが使えなくなる。そして断水で水が飲めなくなる。そういったときにどういう備えをしておくべきなのかというのは、私たち関西にいる人たちも考えていくべきだというのを強く感じました」

■「力がいる、高いところに手が届かない」家具の固定したくてもできないという高齢者も

今回の地震では、家の中で家具などが倒れたり散乱したりする被害が目立ちます。
家具などを固定するため、以下のような対策が必要です。

・L型金具による壁への固定
・粘着シートによる固定
・天井との間への突っ張り棒の設置
・キャスター付き棚に受け皿を設置

その上で、高齢者が自分でこれらの対策を取ることの難しさを指摘しました。

【中野元太准教授】「これまで家具固定されたことがある方であれば分かると思いますが、非常に力がいります。または、高いところに手を伸ばさないといけないので、実はご高齢の方にはやりたくてもできないという方もいらっしゃいます。この夏休み期間中に会いに行く方は備えてほしいなと思います」

また、高いところに食器や重いものを置かないこと、重いものはなるべく下に置くこと、家具を買い替える機会があれば背の低いものを選ぶことも、有効な対策として挙げました。

■車中泊のエコノミークラス症候群 水分と軽い運動が命綱

自宅を離れて車中泊を選ぶ被災者も多い中、エコノミークラス症候群にも注意が必要です。

そして避難所のトイレ環境が整っていないことから水分を控えがちになり、狭い車内で長時間同じ姿勢を続けると、血流が悪化して血栓ができやすくなります。それが肺に達した場合、死に至ることもあります。

【中野元太准教授】「車の中でどうしても狭いですから、そういうところで同じ姿勢になってしまうということが、こういった症状を引き起こしかねません。水分を取っていただくとともに軽い運動ストレッチをしていただくことが大事になります」

高市総理は29日、「車中泊をする被災者が多いことを踏まえ、ガソリンの供給に万全を期す」と発信しています。

猛暑の中でエアコンを稼働させるためにはガソリンが欠かせず、節約を強いられている被災者も少なくないとの声が現地から上がっていたことを受けた対応です。

■「次の災害が来たときのために」常に考え続ける

吉原キャスターは、現地取材の中で「次の災害が来たときのために」常に対策を考えている被災者の姿が印象的だったと伝えました。

【吉原キャスター】「10年前の大きな地震を経験して、熊本被災地ではどうすれば次の地震が来たときに対策をできるかというのを常に考えていました」

夏でも冬でも対応できる保温冷庫や備蓄飲料を用意し、「次の災害が来たときのために」と常に考え続けている姿がありました。

【吉原キャスター】「停電でエアコンが使えなくなる。そして断水で水が飲めなくなる。そういったときにどういう備えをしておくべきなのかというのは、私たち関西にいる人たちも考えていくべきだというのを強く感じました」

(関西テレビ「newsランナー」 2026年7月30日放送)

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