バレーボールの国内トップリーグ・SVリーグ女子のアランマーレ山形が、8月から「アランマーレ秋田庄内」として新たな一歩を踏み出す。ホームタウンを山形から秋田・潟上市へ移す大きな転機を前に、選手たちは慣れ親しんだ土地への感謝と新天地への期待を胸に練習を重ねている。チームを率いる新キャプテンと、未来を担うルーキーを中心に、新シーズンに向けたチームの現在地を追った。
練習拠点なき日々 それでも前を向く主将
本拠地移転を目前に控えたアランマーレ秋田庄内は、いま固定の練習拠点を持たない。
山形・酒田市内の体育館を転々としながら練習を続ける日々だが、新キャプテンに就任したミドルブロッカーの大元朱菜選手は、その環境を前向きに受け止めている。
「練習をやりたい時にやれない不便さはある」としながらも、「限られた時間の中で集中できる。ダラダラしないところはいい。メリットもありデメリットもあり」と話す。
環境が整わないからこそ、一回一回の練習の質が問われる。そんな状況の中でも、チームは着実に新シーズンへの準備を進めている。
遠回りしてたどり着いたSVリーグの舞台
大元選手のバレーボール人生は、決して順風満帆ではなかった。
大学卒業後に当時2部だったヴィクトリーナ姫路へ入団したものの退団。その後は育成チームやモンゴルのチームでプレーするなど、様々な経験を重ねてきた。
それだけに、国内最高峰のSVリーグでプレーする今の立場には特別な思いがある。
「日本のSVリーグに立てるとは思っていなかった」と振り返る大元選手。「バレーボールが大好きで、何とかプロとしてやっていった先にそういう道もあるんだと実感した。一つのことに向き合ってきたので、引き続き頑張りたいし、精進していきたい」と語る。
コート上では誰よりも感情を表に出し、仲間を鼓舞する。その姿勢こそが、新たなチームをけん引する原動力になりそうだ。
小さな体に秘めた大きな武器
新戦力として期待を集めるのが、東海大学から加入したアウトサイドヒッターの光広のぞみ選手だ。
身長165センチとアタッカーとしては決して大柄ではない。しかし、高い跳躍力と多彩なコースへ打ち分けるスパイクで存在感を放つ。
さらに大きな武器が、鋭くコントロールされたサーブだ。
光広選手は「身長は小さいので、前衛での攻撃も一つだが、自分自身の強みであるサーブは注目して見てもらいたい」と自信をのぞかせる。
一方で、自らの特性も冷静に分析する。
「ラリーが続けば続くほど身長的にはしんどくなると思う。ミスを抑えながら、どれだけ点数を取れるか、相手の嫌なところに返せるかを意識してスパイクを打っている」と話し、技術と駆け引きで勝負する覚悟を示した。
秋田・潟上市が支える新たなスタート
チームの新しい練習拠点となるのは、秋田・潟上市の天王総合体育館だ。
平日は市民が卓球やテニスを楽しみ、週末にはスポーツ少年団の大会が開かれるなど地域に親しまれる施設で、市内の体育館としては唯一客席を備える。今後はファン向けの公開練習も予定されている。
また、親会社プレステージ・インターナショナルが建設を進める新社屋「秋田BPO潟上キャンパス」もチームの活動拠点の一つとなる見込みだ。
潟上市は、すでにサッカーJ2ブラウブリッツ秋田の練習拠点でもある。市は受け入れ態勢の充実を図りながら、地域とチームがともに成長できる環境づくりを目指している。
感謝を胸に新天地へ
山形を離れる寂しさはある。それでも大元選手の視線は新天地に向いている。
「山形の方々には本当にお世話になって名残惜しい気持ちはある。でも秋田に行くのはすごく楽しみ。また違った環境でバレーボールができるのはうれしいし、新鮮な気持ちで身の引き締まる思い。秋田に行ってからも、チームも自分自身も士気を上げて質のいいバレーを展開したい。気合は入っている」と意気込む大元選手。
山形への感謝を忘れず、秋田で新たな歴史を刻むアランマーレ秋田庄内。10月17日、秋田・由利本荘市のナイスアリーナで行われるKUROBEアクアフェアリーズ富山との開幕戦が、その第一歩となる。
(秋田テレビ)

