2011年7月27日から30日にかけて発生した「新潟・福島豪雨」。
福島県只見町では、4日間の雨量が711ミリを記録し、平年の2.5カ月分の雨量に達した。福島県内で1人が行方不明、500を超える建物が被災し、JR只見線は寸断。只見線の復旧・開通には11年もの時間を要した。

■被災地ではいま
複数の橋が豪雨で流出した只見川では、会津坂下町から只見町までの約80kmの区間で「新潟・福島豪雨」規模の浸水被害を軽減できるように、堤防を整備するなど工事が進んでいる。
複数の地区では工事が完了しているものの、災害から15年が経過し、まだ着手できていない場所も。工事の完了までには、ここからさらに20年あまりかかるとみられている。

■住み慣れた家を手放す
進む災害への対応…そしてそのためには「住民の理解」も欠かせない。
新潟・福島豪雨で床上80センチを超える浸水被害にあった、金山町本名地区の雪下正三さん。
もとの家は取り壊され、3メートルほど土地をかさ上げしてから、新たな家を建てる工事が2025年度から始まった。
雪下さんは「親の残した家だから、できれば残したいと思ったけども、その他の術がないものだから、壊して建て替えるのもしょうがないかなって、諦めるというかね」と語る。

■住民に迫られる苦渋の決断
地域全体の防災力を高めるために実施される、かさ上げの工事。
福島県では工事中の住居移転にかかる費用など、金銭的な補償を行っているものの「住み慣れた自宅を手放す」という同意を得るのは難しく、現在着手できているのは雪下さんの地区だけ。
雪下さん自身も、葛藤はあったものの最後に行きついたのは、将来世代への思いだった。
「自分の子どもらが、ここに住んでてどういう被害を受けるか。それは間違いなく受けると思うから、とにかく自分だけでなくて子どもらにそういう目に合わないようにしてやれるならばやりたいと」

迫られるのは、「思い出」と「将来」を天秤にかける苦渋の選択。地域全体が同じ方向に向かって合意できるかも課題となっている。

福島テレビ
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