今、列島を揺るがす「ニチレイショック」。
15日、大手スーパー「イオン」の冷凍食品売り場で撮影された映像からは、アイスの冷凍庫には空きスペースが目立ち冷凍食品の棚も一部が空になっている様子が分かります。
そして、貼り紙には「システム障害の影響で一部の商品に欠品が発生しております」と書かれていました。
撮影した買い物客は「普段は冷凍食品もアイスも売り場が広く、いろんな商品があるのに半分近くがなくなっていて驚いた」と話していました。
冷凍食品大手のニチレイで発生したサイバー攻撃によるシステム障害。
その影響は広がり、北海道・江別市の給食センターでは来週の献立だったニチレイの「米粉入り春巻き」が「ポークシュウマイ」に変更されることになりました。
さらに、夏休みシーズンが迫る中、「(Q.冷凍食品への影響)え~困っちゃう。夏休みで子どものご飯なんかをストックしておきたいのにすごく困る」「息子のお弁当作るのに4品くらいは冷凍を使う。ないと困る」など、“冷凍食品の品薄は困る”と子育て世代などから悲痛な声が聞かれました。
また、江崎グリコでは西日本でアイスクリームの出荷に影響が出ていることを明らかに。
さらに、井村屋でも人気の「あずきバー」や「肉まん」など一部商品の納品が止まっているといいます。
なぜ、ニチレイのシステム障害の影響がここまで多くの企業に拡大しているのでしょうか。
フードジャーナリスト・山路力也さん:
ニチレイというと一般的に冷凍食品のメーカーというイメージがあるが、冷凍冷蔵食品の“流通インフラ”でもある。冷凍食品や冷蔵食品を各メーカーが作る。それを保管して流通して店舗まで運ぶ一連の流れをニチレイが請け負っていると。
冷凍食品の国内最大手のニチレイは冷凍・冷蔵商品の物流の分野でも国内最大規模の企業です。
国内の約5000社と取引し、冷蔵倉庫での保管から店舗への物流までを担っているため、システム障害による混乱が多くの企業に波及してしまったのです。
大阪市にあるキムチ工場では、ニチレイの冷凍倉庫に保管された「冷凍キムチ」が出荷できない状況に。
高麗食品・黄成守工場長:
(Q.システム障害)僕たち全く関係ないと思ってたので、2日前の午前中に連絡を受けて知った。(キムチは)もう冷凍倉庫で眠っている状態。
この影響で冷凍キムチの製造を取りやめていましたが、17日から復旧する予定だということです。
また、横浜市のスーパー「セルシオ」では、豚肉の仕入れの量が減ってしまいましたが16日は、切り方を変えるなどして影響を最小限にしているということでした。
一部の肉の仕入れ先から「出荷できない」との連絡を受け、この店では直接仕入れ先の倉庫に出向くなど影響が出始めていました。
セルシオ食品バイヤー・久保田浩二さん:
一部、日ごろ安く仕入れている商品が高くなってしまったという影響があるので、多少お客さまに値段という部分では影響が出始めている。
榎並大二郎キャスター:
外食やスーパーへの影響が広がっていますが、復旧の見通しはどうなっているのでしょうか。
遠藤玲子キャスター:
ニチレイは17日から順次出荷業務を再開するとしていますが、影響が出ている各社に復旧の見通しを取材しました。
「日本ケンタッキー・フライド・チキン」は復旧のめどは立っていないということです。また、「イオン」は復旧のめどについて、見通しについては答えられないとしつつも納品調整や代替手配を進めているそうです。「くら寿司」は、自社物流に切り替えを行っています。そして、「井村屋」は取引先に18日以降順次、再開の見通しだと伝えているということで、なかなか私たちの手元に届くのはまだ先かもしれません。
山﨑夕貴キャスター:
各社、対応に追われていますが同じような被害を出さないために今後、サイバー攻撃にどう備えたらいいんでしょうか。
遠藤玲子キャスター:
その点についてフジテレビ・智田裕一解説副委員長に聞きました。智田解説副委員長によりますと、今回は1食品メーカーの内側で完結せずに、食の物流がロックされるという事態に発展したところに大きな特徴があるということです。
その上で、高度な攻撃の検知には限界があるとされる中、サイバー攻撃への防御力を高める一方で、止まった時の備えとなるシステムをあらかじめ構築していくことが一層求められるということでした。
