来年4月、富山県内初となる「夜間中学」が富山市内に開校します。
開校を前に、入学希望者などを対象にした体験授業が開かれました。
「みなさん、こんばんは」「先生、こんばんは」
先週10日の午後6時。教室に集まったのは、年齢も国籍も様々な入学希望者12人とその保護者などおよそ20人です。
県教育委員会は、県内初の夜間中学「高志のあかり中学校」を富山市の雄峰高校内に開校することにしていて、体験授業が開かれました。
参加者たちは英語の授業でアルファベットの読み方を学んだほか、数学では図形の移動について教わりました。
*県教育委員会 夜間中学設置準備担当 岩田理恵子課長
「小学校や中学校を卒業できなった方や、様々な事情で十分な勉強ができないまま中学校を卒業した方が、もう一度中学校で学び直すことができる学校です。一人ひとりにあわせて、小学校の内容や授業に必要な日本語も扱えます」
夜間中学は、様々な理由で義務教育を受けられなかった人や病気や不登校などで十分に学ぶことができなかった人、それに、義務教育を修了していない外国籍の人たちが学ぶことができます。
授業料や教科書代は無償で、定められた課程を修了すると、中学校の卒業資格が取得できます。
その過程は生徒一人ひとりの学習状況や希望などを踏まえ、校長が判断します。
*入学希望者(30代)
「学び直していきたい、障がいを持っていてそれでもやってみようと思っている」
体験授業に参加した10代から60代までの12人のうち、7人が外国出身でした。
*入学対象者(台湾出身40代)
「家で子育てをしていたので、学ぶ機会がなかった、学校生活を通して、日本社会になじんでいきた」
*付き添いの娘(中学校1年生)
「母は日本語あまり話せないから」
*入学対象者(パキスタン出身)
「私たちは日本では学校いけません。15歳以上だから、(昼間の学校に)入学できなかった」
パキスタン出身の15歳と16歳の姉弟。母国では中学校を卒業していませんが、日本では学齢期を過ぎているため、普通の中学校には通えません。
夜間中学は、単に「日本語を学びたい」という生徒ではなく、日本の教育を受け、高校や大学などに進学したいという生徒に対し学びの場を提供できると期待されています。
*県教育委員会 夜間中学設置準備担当 砂土居良江さん
「予想よりもいろんな国籍の方が参加した、多言語の方にも理解してもらえるような仕掛けや支援、今回は写真を準備しいたが、そういった丁寧な準備が必要になると確認しました」
県はICT機器などを活用して学習を支援していくとしています。
*県教育委員会 夜間中学設置準備担当 岩田理恵子課長
「1人1台端末がある、端末でご自身の母語にあわせて、教師が喋ったことが同時に翻訳できる状態は作ると思っています」
体験授業は12月まであわせて12回開かれる予定です。
全国夜間中学マップ政府はすべての都道府県・指定都市に少なくとも1校の夜間中学を設置するとの方針を掲げ、現在、夜間中学は69校が設置されています。
北陸3県では、去年、石川県で今年は福井県で開校しました。
夜間中学の対象となる方を改めて見ていきます。
まずは、一般の中学校では原則として受け入れていない、義務教育の学齢を過ぎた15歳以上で、様々な理由で義務教育を修了できなかった人や病気や不登校などで十分に学ぶことができなかった人、そして、今回の体験授業で参加が多かったですが、本国や日本で義務教育を修了していない外国籍の人のが対象です。
普通の中学校と同じ、音楽や体育などを含めた9つの教科を学びますが、仕事をしながらでも通いやすいよう、時間は午後5時30分から9時までです。
4月に開設される「高志のあかり中学校」。県は1学年あたり最大30人を受け入れる方針です。
誰もが学べる環境を整えることは、孤立を防ぎ、本人の可能性を広げること、そして、安心して暮らせる社会を育むことにもつながるのではないでしょうか。
