京都市北区の路上で去年12月、高齢女性がひき逃げされ死亡した事件で、警察はきょう=7月13日、殺人の疑いなどで男らを逮捕しました。
事件では、「被害者の女性が車体の下に巻き込まれて200メートル近く引きずられ、その結果、女性が死亡した」疑いがあることから、この車を運転していた男が「殺人容疑」で逮捕された形です。
元テレビ朝日アナウンサーで刑事事件も手掛ける西脇亨輔弁護士は「被害者の方を引きずったという認識があり、そうすると命が奪われるかもしれないと、わかりながらやっていたら殺意が認定される可能性がある」と解説しました。
■京都市北区の路上で近くに住むパート従業員の女性が血を流して倒れ…
去年12月、京都市北区の路上で、近くに住むパート従業員の小杉和子さん(当時73歳)が血を流した状態で倒れているのが見つかりました。
現場には数百メートルにわたって小杉さんが引きずられたような痕が残っていたということです。
警察は、ひき逃げ事件として捜査を始めていました。
明るく、社交的だったという小杉さん。関西テレビの取材に応じた遺族が、突然、日常を奪われた理不尽さについて話しました。
【小杉和子さんの夫(80)】「びっくりして、『なんで』っていう感じだった。今まで苦労かけたから、これからっていうときに非常に残念。長くかかりすぎたから、逮捕されることないんちゃうかな」
■逮捕された2人の内、1人は「殺人の疑い」
小杉さんをひき逃げした疑いなどで逮捕されたのは、京都市北区の無職・信秋哲男容疑者(61)。
そして警察は、殺人の疑いなどで京都市西京区の無職・田中博昭容疑者(67)を逮捕しました。
このほかにもひき逃げの疑いなどで男一人を近く書類送検する方針です。
■当時の状況は…3台が相次いではねたか
一体なぜ、一つの事件をめぐり3人の男に容疑が向けられたのか。警察によると、当時の状況は次のようなものです。
小杉さんは横断歩道を歩いていたところ、信秋容疑者の運転する車にはねられ、対向車線に飛ばされます。
この時点で、小杉さんは、腰の骨を折るなどしたものの生きていました。信秋容疑者は、ひき逃げをした疑いがもたれています。
その4分後、倒れていた小杉さんを別の男の運転する車がさらにはね、救護せずに逃走したとみられています。
そしてさらに5分後、田中容疑者の運転する車が小杉さんを車体の下に巻き込み200メートル近く引きずり逃走。
これにより、小杉さんは頭の骨を折ったことによる出血性ショックで死亡したとみられ、警察は、田中容疑者を殺人の容疑でも逮捕したのです。
調べに対し信秋容疑者は容疑を認め、田中容疑者は「人を引きずっていた認識はありません」と話しているということです
■弁護士「被害女性を引きずっていた」認識あれば「殺意あった」認定される可能性
最後に小杉さんを「引きずった」疑いがもたれている田中容疑者が、殺人の疑いで逮捕されたことについて、西脇弁護士は「被害女性を引きずっていた」という認識があれば、「殺意があった」と認定される可能性があると指摘しました。
【西脇弁護士】「これは1台目と2台目、3台目で責任が大きく違ってきます。焦点になるのは、わざとやったかどうか、です。
1台目、2台目については、ひき逃げをしたというところでは、意図的にやっていますが、被害者と衝突したという事故自体は、意図的にやったものではなくて、過失によって起きているということになります。
一方で3台目については、これはおよそ190メートルにわたって引きずったかということになっている。
そうすると、この『引きずっていたこと』に気づいていれば。3台目は『故意』、認識があって、わざと被害者の方を引きずっていたとしたら、『命が奪われるかもしれない』とわかっていたのではないか、ということになります。
そうすると殺人、つまり『殺意があった』という認定になります。認定されれば、単なるひき逃げや過失運転致傷といった罪とは違ってくる。
とにかくこういった『わざと』か『わざとではないか』によって、大きく法律上は責任が変わってくるので、そのあたりの真相というのをこれから捜査で明らかにしていくということだと思います」
(関西テレビ「newsランナー」2026年7月13日放送)
