警察官を名乗る人物から突然電話がかかり、事件への関与を疑われる――。そんな巧妙な特殊詐欺の手口がいま横行している。FNNの記者のもとにも実在する警察をかたる不審な電話があり、自宅住所などの個人情報を示しながら信用させようとした。被害が過去最悪のペースで増える中、その巧妙な実態が明らかになった。

「警察です」記者にかかってきた不審な電話

FNNの記者に突然、滋賀県警捜査二課の警察官と名乗る男からの電話がかかってきた。

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電話から男の声:
現在、大阪府警と滋賀県警の合同捜査をしておりまして、大阪府警のほうでヒグチ・タクヤという人物を逮捕している状況。

記者:
はい。

「+1」から始まる国際番号から、テレビ新広島の記者に電話をかけてきたのは、「滋賀県警捜査二課のモリタ」と名乗る男だ。

“マネーロンダリング事件の主犯”として逮捕したヒグチ・タクヤという容疑者の自宅を家宅捜索したところ、電話を受けた記者名義のキャッシュカードが見つかったことから電話をかけてきたという。

滋賀県警「モリタ」を名乗る男:
現在、【記者】のキャッシュカードが事件捜査の中で見つかってしまっている以上、【記者】に対して事件に関係があるのではないかという嫌疑がかけられている状況。

記者:
…はい。

周囲を警戒し、1人で通話をするよう男が促す。
指示に従うふりをして、記者は場所を変えて、やりとりを続けた。

滋賀県警「モリタ」を名乗る男:
広島県…【実際の住所】なんですが、こちらはいまお住まいの住所でお間違いはないですか?

記者:
はい。合っています。

男は記者の自宅住所を正確に把握していた。
さらに記者に対し、次のように告げた。

滋賀県警「モリタ」を名乗る男:
この件をそのまま放置してしまいますと【記者】の名義の口座や資産などが差し押さえられてしまうのと同時に最悪の場合、逮捕されてしまうという場合がありますので、そちらはご理解ください。

記者:
逮捕ですか?

今度は「大阪府警」LINE通話へ誘導

その上で話を続けた。

滋賀県警「モリタ」を名乗る男:
これから大阪府警本部のほうにお電話のほう転送させていただきますので、このまま電話を切らずにお待ちください。失礼いたします。

コールがしばらく鳴り続けると電話の相手が別の人物に代わった。

別の人物の声:
もしもしこちら大阪府警捜査二課サイトウと申します。

今度は関西弁まじりで、「大阪府警捜査二課のサイトウ」と名乗る男が、すでに事情を把握していた体で話を進めた。

大阪府警「サイトウ」を名乗る男:
ああ、はいはい。滋賀県警のほうから転送されてきていますね。いまから資料を準備しますので少々お待ちください。

すると、次のように続けた。

大阪府警「サイトウ」を名乗る男:
今回、逮捕したグループに関しては、LINE通話を頻繁に使用していたことが、容疑者の供述から判明していますので、【記者】とのLINE通話の音声も録らせていただきます。

記者:
ビデオ通話になるんですか?

大阪府警「サイトウ」を名乗る男:
そうですね。【記者】の表情など確認しながら確認のほう行ってまいります。

記者:
…はぁ。

ビデオ通話に誘導された記者は、これ以上踏み込むのは危険と判断し、電話を切った。
相手の目的は詐欺と見られる。

2026年初めから6月末までの特殊詐欺の認知件数は、広島県内だけでも423件に上り、その被害額は、約30億6000万円と過去最悪となった2025年を上回るペースとなっていることから、不審な電話には十分な注意が必要だ。
(「イット!」7月9日放送より)

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