福島県の人口が、戦後初めて170万人を割り込んだ。深刻な人口減少が進んでいるが、後期高齢者医療制度の対象となる「75歳以上」の割合は19.2%と2割に迫っている。高齢者が増えることで重要になる介護業界、いま、県内でも危機を乗り切る取り組みが進んでいる。
■介護現場の貴重な人材
7月8日にいわき市で行われた辞令交付式。
インドネシア人のアンディ・アナルタさんは、特定技能外国人として、市内の介護老人保健施設で働くことになった。
「私はお家でおばさんの世話をしたことがあるので、だから日本で介護の仕事をしたいです。仕事が楽しみです」と話す。
■実際の現場では
「小名浜ときわ苑」では、若手職員の確保のため、7年前から特定技能外国人を雇用している。現在は、職員・約110人のうち、7人がインドネシア国籍だという。
2年前から働くアジズさんは、大好きなアニメなどをきっかけに日本で働くことを決め、インドネシアの家族に仕送りもしている。
「日本とインドネシアを比べたら全然違うし、賃金も日本の方は高くて、それも理由になります」とアジズさんはいう。
■介護業界の希望に
福島県内の介護職員の数は、10年前から増えているものの、2024年は前年から1000人近く減少と、ニーズに対して供給が進んでいるとは言えない。
一方、福祉や介護の分野で働く外国人労働者の数は年々増加。人手不足の業界にとって希望となっている。
80代の利用者は「ありがたいですよね、やっぱりね。皆、一生懸命やってくれているからね」と話す。
小名浜ときわ苑の小野史賀施設長は「介護の業界の求人っていうのは、なかなか他の業界よりも厳しいと思っていますので、新しくインドネシアの方を機会があれば採用は決定していきたい」と話した。
■加速する人手不足
一方で、介護業界の先行きには不安もある。
福島県によると、県内で必要とされる介護職員の数は、2030年には約3300人の不足、2040年になると7500人も不足すると予想されている。
福島県の担当者は「様々な業界で賃上げの動きが加速し、介護以外の分野の方が待遇がよいとなれば、働き手が流れてしまうことも考えられる」としている。
特定技能外国人の受け入れだけでなく、介護の業界を支える賃金や働き方などの仕組みづくりも必要となりそうだ。
