夏の高校野球富山大会が今週金曜日から開幕する。シリーズで注目校を紹介するなかで、今回取り上げるのが高岡第一高校だ。NPBのスカウトが視察に訪れるという剛速球左腕・前田侑大投手を擁し、1981年以来45年ぶりの夏の甲子園出場を目指している。

秋も春も決勝で涙、「夏こそ」の思いを胸に

1959年創部の高岡第一高校野球部は、近年着実に力をつけてきたチームだ。昨夏はベスト16に終わったが、その後の秋季大会と今春の春季大会ではともに決勝へと勝ち上がった。それでも富山商業の前に二度の涙をのんだ。

指揮官の村本忠秀監督は、選手時代の1981年に夏の甲子園出場を経験している。「当時の私たちよりも全然能力は高くなってきている。あとは何が大事かっていうと、絶対に負けたくないとか、甲子園に行きたいという思いを忘れずに戦ってもらいたい」。教え子たちと夢の舞台をともに踏もうと、指揮官の目にも力がこもる。
152キロの剛速球、NPBも注目するエース左腕

チームの核は、エース左腕の前田侑大投手だ。身長173センチと決して大柄ではないが、肩甲骨周りの柔軟性から生み出されるバネのある投球フォームが武器。昨年は140キロ台だった球速は今年さらに伸び、ついに152キロに到達した。北信越の強豪校との練習試合にはNPB11球団のスカウトが視察に訪れており、プロからの注目度の高さを示している。

4月のU18日本代表候補強化合宿も大きな自信につながった。「全国にも自分のまっすぐが通用するのが、合宿の中で感じられた」。さらに際立つのが昨年からの成長だ。「去年は変化球でカウントをとることができていなかった。今年になって変化球の精度をあげて、変化球でストライクをとれるようになり、いいピッチングができている」。直球と精度の増した変化球を組み合わせ、打者を翻弄する投球術が着実に磨かれている。
中学時代からのバッテリー、信頼と絆が生む安定感

前田投手を支えるのが、キャプテンでキャッチャーの津嶋心主将だ。南星中学時代からバッテリーを組んできた間柄で、学校生活でも常に行動をともにしてきた。「ずっと学校生活でも一緒なので、性格をしっかりわかってリードできるのがいいところだと思う」と津嶋主将。前田投手も「自分が調子悪い時でも一番近くにいてくれるので、安心する」と絶大な信頼を寄せる。互いを知り尽くしたバッテリーが、チーム全体に揺るぎない安定感をもたらしている。
2年生クリーンナップと1番・宝田が織りなす打線に注目

強力な投手陣を援護する打線も充実している。4番・森木選手、5番・小西選手と2年生がクリーンナップを担い、その前に立つのが3年生の1番・宝田翔真選手だ。「2年生が長打力があってチャンスで打ってくれるバッターなので、自分は出塁することを意識してやっている」。宝田選手が塁に出てリズムをつくり、後ろの長距離砲が返す。つなぎと長打が絶妙にかみ合った打線が、高岡第一のもう一つの強みだ。
「41人全員で甲子園でも勝ちます」

秋と春、決勝で二度味わった悔しさを力に変えた選手たちは、夏にすべてをぶつける覚悟を固めている。前田投手は「自分が投げた時は、ゼロに抑えるピッチングをやっていきたい」と力強く宣言。村本監督も「みんなが信じて、みんなで盛り上げて、絶好のチャンス、ものにしたいと思う」とチーム一丸での戦いへ期待を示す。そして津嶋主将がこう締めくくった。「部員41人全員で、1試合1試合全力で戦って、まず夏の県大会に優勝して、甲子園でも勝ちます」。
高岡第一の初戦は11日、富山工業との対戦だ。45年という長い歳月を超えて夏の甲子園へと続く扉を、前田侑大という逸材を中心とした全員野球でこじ開けることができるか。富山の熱い夏が、今まさに幕を開けようとしている。




(富山テレビ放送)

