福岡市の高島宗一郎市長は8日の会見で、16年前に初めて市長選に出馬した際に、“ある議員”から5000万円を要求された事実を認めました。

会見での一問一答は以下の通りです。

ーー市長は2018年に発行された著書「福岡市を経営する」の中で、2010年の市長選初出馬が決まった直後に、当時知らない議員から呼び出されて金銭を要求されたと綴り、「選挙活動費」とか「5000万円を自分が配る」とか「家売ってこいなどと言われた」と書いているが、これは事実か。

高島市長(以下、高島):
はい、事実です。

ーーこれは当時断ったという理解でいいか。

高島:
そこに書いてあるとおりで、明確にそれは断ったということです。

ーー「ある議員」とは誰か。

高島:
これはその本を読んでいただいて分かるとおり、個人の話ではなくて、政治というところにはもちろん素晴らしい方がたくさんいる一方で、何かマイナスのイメージがあるんじゃないかと思っていたときに、16年前(の初出馬)当時35歳でしたから、選挙に出るとなったときに、そういう人が現れて「お金が必要だ」なんて話をされたのは、非常にショックでした。

ーー県議会議員か。

高島:
これは「誰が」ということではなくて、「ある政治家」という、書いていることが全てです。

ーー少なくとも福岡県内の議員か。

高島:
「ある議員」ということです。当時、金銭の要求があった後に、私はそうしたことに与するぐらいであれば、自分が政治家に出る必要がないと。そんなものに頼らなくても自分の力で当選もできるし、そしてその後の政治家としての活動もしっかりできるということを証明したい、若くてもできるということを証明したいというつもりで自分は立ち上がったと。ですから、私はそうしたお話があったときも明確に断ったわけです。ただ、当時はやっぱり不安でいっぱいの35歳でしたから、もし選挙が終わった後にまた請求が来たら怖いと思ったので、明確に断ったところを残しておかなければということで録音しました。

ーー議員という立場の人が、公職を金銭を買うような話が出ていることについてはどうか。

高島:
今の福岡県の事態については、真偽が今まさに争われているところでしょうから、それ自体の話は避けますが、当時自分自身が体験したこととして、そういう人もいたことは驚きですし、それが本当に福岡だけなのか。もちろん選挙で活動するには確かにお金も必要なので それがどこからまでが選挙に必要な活動費なのかという判断は今でも明確に線を引くのはなかなか難しい。本当に必要経費だったかもしれないが、これから政治を目指す若い人が増えてほしいと思っているし、こういうニュースを見ていると本当に政治の世界で頑張りたいと思う人が躊躇してしまうことになってしまう。自分としてはそんなことをしなくてもしっかり選挙にも通れるし、ちゃんと仕事ができるというところを見せたいと本にも書きましたし、自分自身もそれを体現しようと頑張っているつもりです。

ーー「自己防衛のために当時録音した」と本にはあるが、録音を公表する考えはあるか。

高島:
私が録音したのは当時16年前の選挙の直後に「終わった後にまた要求されたらどうしよう」というのが怖くてしかたなくて、明確に断ったシーンを録音しておこうと思ったわけです。私が明確に断った後にはそのような要求もなかったですし、それで自分としては録音メモ自体が必要なくなったので、現時点でそのデータはありません。

ーー当時、高島さんは自民党から支援を受けた。そうすると自民党の議員から要求があったのかと考えるが。

高島:
書籍に書いてあったことが全てで、それ以上でもそれ以下でもありません。

ーー誰からかを証言すれば、疑惑に対して一石を投じることにもなると思うが。

高島:
データが残っていないので、そうしたことがあったということを証明することも今は難しい状況です。ただ、自分の記憶にはしっかりと残っています。私が言いたかったのは、そこで誰か1人の話に矮小化するのではなく、政治という中に飛び込んだときにそういう人もいて、それを明確にお断りをすることでしっかり当選もできるし、その後チャレンジをしてしっかりとできるんだというところを示すのが本を書いた目的であって、個人1人に注目をしてその話を終わらせるということではないというのが本を書いた趣旨です。

ーー当時5000万円のやり取りがあった場所や状況、同席者などは。

高島:
それは本に書いていることが全てで、それ以上でもそれ以下でもありません。

ーー本には同席者のことはなかったと思うが、同席者はいなかったということか。

高島:
それはもう本に書いたこと以上でも以下でもありません。私はそうしたことに「関わっていない」ということを書いているわけですし、何かお金を払ったこともなければ、もらったこともないと否定して、それでも(さまざまなチャレンジが)できたということを書いているわけです。

ーー本の出版後、捜査機関から事情を聞かせてほしいというような話はあったか。

高島:
結局、授受自体がそもそもないので、そうしたことはありません。

ーー今後、捜査機関から協力を求められた場合はどうするか。

高島:
そもそもあの本は「私が否定した」という話であって、渡したわけでももらったわけでもないという内容なので、そもそも聞かれるような話がないと思います。

ーー改めてどういうシチュエーションでどういう要求されたのかを本を読んでいない市民にもわかるように説明してほしい。

高島:
最初に私が選挙に出たときにそのお金を準備するように言われたけれども、私がそれを拒否した。そしてちゃんと拒否をしたということを記録しておかないと、その直後に請求をされては困るということから、自己防衛のためにそういうことまでしたという記憶を書いているものです。

ーー具体的にどういう要求をされたのか。

高島:
それは私の公務ではなく政務活動ですので、知りたい方は本を読んでいただければいいと思います。ただ、趣旨としては今のようなお話をしたことが書いてあります。

ーーこれ以上この問題については公の場で明らかにする気はないのか。

高島:
明らかにする必要があればそうするが、書いているのは16年前の私の選挙のときに自分が体験した話ですよね。これについて自分はそもそもそうしたものに与しなかったという側で書いているわけであって、それ以上実態がどうなのかという詳しいことは分かりません。

ーー福岡県議会をめぐる問題で、吉松県議や江藤県議の証言の信ぴょう性はどのように考えているか。

高島:
自分で顔を出して実名で具体的な話をするというのは相当勇気が必要だと思います。現段階では双方言い分が違うので、何が正しかったのかというコメントは控えます。いずれにしてもこうしたニュースが福岡にとって、例えば副首都の話も含めて大事な時期で、福岡が存在感を出してステージを上げていく大事なチャンスだと思って取り組みを進め、福岡の明るいニュースをどんどん全国に向けて発信するという気概でやってきている中、福岡の印象が非常に悪くなるニュースが流れているというのは非常に悔しいし残念に思います。

ーー書籍では相手の議員が「お金をもらわなくても動く議員などいるわけないだろう」と発言したとあるが、こういう風潮は福岡県内だけのものと考えるか。

高島:
他の全国の状況を知っているわけではないので、ただ自分が体験したことを書きました。「政治って何かそんなところがありそう」というイメージ自体は皆さん持っていると思うんですよね。かといってそういう人がいたかというと、明確に断りを入れれば、それ以上別に何かあったわけではないので、しっかりそういうものに対してはノーを言っていくということも大事だし、もし他でも同じようなことがあっても、しっかり断れば当選もできるし、その後の活躍でそれがマイナスになることも自分はなかったので勇気を持ってほしいと思います。

ーー吉松県議は「議長ポストは1000万円、副議長ポストは500万円」という噂を耳にしたというが、何か聞いたことはあるか。

高島:
いえ、全然ないです。県、市、区とか、村とか、だんだん活動範囲が狭くなれば活動額が少なくて済むのではないかという一般的な想像はできますが、そのようなことは聞いたことはなかった。たまたま自分が経験したことを書いたまでです。いわんや議長、副議長のポストがいくらかは聞いたこともないですし、そこまでしてなりたいポストなのかも私は理解ができないので分からないです。

ーー県議会では根回しのために他の会派を含めたゴルフ会もあったようだが、市政運営する上でそういったことをしたことはあるか。

高島:
そもそもゴルフなどもしませんし、例えば根回しゴルフ会的なものは一度も参加したことはありません。

テレビ西日本
テレビ西日本

山口・福岡の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。