鹿児島県霧島市の温泉施設から5歳の男の子が行方不明になって、3日で12日となった。
田中嶺臣(れお)ちゃんの姿は、いまだ見つかっていない。
警察による捜索は3日も約20人体制で続いており、これまでに消防と合わせて延べ約800人が捜索に投入されている。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」取材班は両親の捜索に同行。悲痛な想いが語られた。
■「きょうこそは」祈り続け毎日捜索
嶺臣ちゃんの両親は、熊本県八代市から車で1時間半をかけて、毎日霧島市内へと捜索に訪れている。
捜索に出る前には神社を2カ所回り、「きょうこそは」と祈ってから現地へ向かうのが毎日の習慣になっているそうだ。
両親はそれぞれ双眼鏡を手に、二手に分かれて行動しています。主に母親が川のそばを歩いて回り、父親は河口付近の海側を探している。
仕事を休んで捜索を続けており、当時温泉施設にいた2歳の弟は、祖母の家に預けているという。

■2歳弟が毎日「にぃには?」と…
母親は取材に対し、「海に入ることもできない私たちに、あと何ができるんだろう」と海の方向を見ながら涙を浮かべ、「嶺臣は見えないところで、今も一人でどこかにいるのかな」と苦しい胸の内を語った。
さらに母親は、捜索を終えて家に帰るたびに2歳の弟が「にぃには?」と聞いてくるといい、「どのように説明すればいいのか、このまま見つからなかったらどうやっていけばいいのか、今は分からない」と言葉を詰まらせた。
父親も「どこかで自分たちも前を向かないといけないんじゃないかと思ってはいるが、どこにいても何も手がつかない」と話している。

■「川の流れに興味を持ち、見に行ったのではないか」
嶺臣ちゃんはどのような経緯で行方不明になったのか。
現場の状況を整理すると、家族湯の1.5メートル下には緑地があり、そのすぐそばには室外機が設置されていました。さらに5メートル幅の緑地の1.2メートル下には護岸があり、その先に川が流れている。
嶺臣ちゃんの父親は「すぐ下には室外機があった。降りることができたのではないか」と話す。
近隣住民によると、前日から雨が激しく降っており、当日の水位は普段より30センチほど高かったとみられている。
元神奈川県警捜査一課長・鳴海達之氏は、「私としては、誤って川に転落したのではないかと考えています」と見方を示した。
鳴海氏はその理由について、嶺臣ちゃんが水遊びを好んでいたこと、当日は川が増水して流れがかなり急だったことを挙げ、「その流れをお風呂から見ていると、やっぱり興味を持ったのかなとは思う。5歳の子どもは興味津々。何を見ても『もうちょっと近くで見たいな』と思うのかもしれない」と説明した。

■室外機が「足場」に? 鍵の開閉も5歳なら可能か
浴室の内鍵が閉まっていたことについて、鳴海氏は「鍵を閉めたのは困らせるためではなく、ただ普段やっていることをそのままやったのか」と分析した。
嶺臣ちゃんの身長は約120センチ。鳴海氏は「室外機が足場になりますので、降りようと思えば降りられますし、5歳であれば飛び降りることができる子もいる」と指摘した。
当日現場にいた両親によると、入浴中は窓が開いており、網戸は閉まっていたという。
母親は「5歳の嶺臣ちゃんぐらいの年頃の男の子でも、開け閉めができるような鍵だった」と振り返っている。
行方不明になった当時に網戸が閉まっていたかどうかについては、「パニックだったので覚えていない」と正直に語っている。

■「裸で国道を歩いていれば誰かが通報するはず」
温泉施設周辺には、川方向以外にも複数のルートが確認されています。施設横のタンク奥の細い脇道を抜けるルートと、畑を経由して国道へとつながる道だ。
ただし現場周辺は雑草や枝が生い茂っており、はだしでの移動は困難な状況とみられる。
また国道は車通りが多く、嶺臣ちゃんが行方不明になった午後3時過ぎという時間帯であれば、はだしや裸の状態で歩いていれば目撃されていた可能性が高いと鳴海氏は推測する。
鳴海達之氏:小さい子どもが裸のまま道路を歩いていたら、明るいときに見れば誰でも通報しますよね。そういった通報がないわけですから、この国道沿いは歩いていないのかなと見るのが自然。
第三者による連れ去りの可能性について鳴海氏は、「可能性はゼロではないが、かなり低いのではないか」とした。

■台風接近も重なり捜索は難航 「すごく下流で見つかることも」
捜索は台風の接近とも重なり、難航を強いられている。
消防は6月末で捜索を打ち切っており、現在は警察が捜索を続けている。
潜水士の資格を持っている関西テレビの神崎博解説デスクは、増水した川での経験を踏まえて「川の水量が多いときは、ものすごい濁流や水圧を感じて、大人の私でも気を抜くと数十メートル流されることがある。もしも発見されることがあったら、すごく下流で見つかるということもあったりする」と説明した。

■今後の捜査は?
今後の捜索・捜査の方針について鳴海氏は、スキューバーによる潜水捜索や地上での捜索に加え、目撃証言の収集、ドライブレコーダーや防犯カメラの解析など、「一つ一つ潰していくという捜査をこれからも続けていかなければいけない」と強調した。
嶺臣ちゃんは身長約120センチのやせ形で、前髪は眉にかかる程度、横髪は耳にかかる程度だということだ。
なにか情報があれば鹿児島県霧島警察署(0995-47-2110)まで。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年7月3日放送)


