梅雨の季節、カビが生えやすいのは浴室や押し入れだけではない。実は「耳の中」にもカビが繁殖しやすいことをご存知だろうか。耳鼻咽喉科の専門医は「患者が平常時より3〜4割増える」と警鐘を鳴らす。そして見逃せないのが、若い世代に広まる“ある習慣”との深い関係だ。

耳の穴にカビが生える「外耳道真菌症」とは

耳の穴から鼓膜までをつなぐ管の表面にカビが繁殖する病気を「外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)」、いわゆる「耳カビ」という。
やまぎし耳鼻咽喉科の山岸孝広院長はこう説明する。
「炎症を起こした外耳道の表面、耳垢の表面に文字通り“カビ”が生える状態」

梅雨の時期は湿度が高まり、カビが繁殖しやすい環境が整う。山岸院長によると、この時期は患者数が平常時の3〜4割増になるという。6月24日に来院した患者の耳を診た際にも、「耳垢の表面に白いポツポツとしたカビの塊が繁殖している」状態が確認されたという。

「一日中、寝るときも」 イヤホンの長時間使用が危ない
耳カビが増加している背景として、山岸院長が特に指摘するのが日常的なイヤホンの長時間使用だ。

街で話を聞くと、若い世代のイヤホン使用実態が浮かび上がる。
「一日中ですね。24時間。朝起きて、メイクするときも寝るときも睡眠導入音楽をかけている」(10代女性)
「通学のときはずっと使っている」(10代男性)
「毎日使っている」(30代男性)
こうした習慣について、山岸院長は次のように警告する。
「イヤホンを長時間つけていると中が密閉されるので、カビが生えやすい環境が整っている」

特に近年は、ノイズキャンセリング機能付きの密閉型イヤホンが普及しており、耳の中に湿気がこもりやすい状況になっているという。若い世代だけでなく、補聴器を使用する高齢者も耳カビを発症しやすいとされており、幅広い世代に注意が必要だ。
「急にかゆくなって綿棒が湿っぽく」 見逃しやすい初期症状
耳カビの初期症状は、耳の中のかゆみや耳だれ(膿などの分泌物)だ。山岸院長は典型的な症状の変化についてこう語る。

「耳カビが一旦生えると、水虫と一緒ですごく皮膚のかゆみをつくる病気。普段カサカサなのに、急にかゆくなって綿棒が湿っぽく耳だれがつく」
かゆみや耳だれが現れたら、耳カビを疑う必要がある。症状を放置して悪化すると、炎症が広がり、難聴につながるおそれもあるという。
市販薬では治らない 耳鼻咽喉科での処置が不可欠
注意すべき点として、山岸院長は「耳カビは市販薬では治らない」と強調する。悪化や再発を防ぐためには、耳鼻咽喉科での専門的な処置が不可欠だ。
梅雨の時期、「耳がかゆい」「耳だれがある」といった症状が気になったら、自己判断せず早めに専門医を受診することが重要だ。イヤホンの使用時間を見直すことも、耳カビ予防の一つの方法となる。
(富山テレビ放送)

