調査会社インテージは、全国約6000店舗の販売データをもとにした「2026年上半期 売れたものランキング」を発表した(集計期間:2026年1〜5月)。
物価高の継続に加え、2月末に発生したホルムズ海峡危機の影響など、社会情勢の変化が色濃く反映された結果となった。
「売れたもの」1位は去年の“品薄”の反動も
1位 麦芽飲料(前年比:155%)
2位 玩具メーカー菓子(同:142%)
3位 ほほべに(同:131%)
4位 インスタントコーヒー(同:131%)
5位 しわ取り剤(同:127%)
6位 レギュラーコーヒー(同:122%)
7位 住居用クリーナー(同:121%)
8位 家庭用手袋(同:119%)
9位 殺虫剤(同:118%)
10位 プロテイン粉末(同:118%)
11位 食品包装用品(同:118%)
12位 トマトジュース(同:117%)
13位 ラッピングフィルム(同:116%)
14位 もずく・めかぶ(同:116%)
15位 日焼け・日焼け止め(同:116%)
1位となった麦芽飲料は、前年の品薄の反動や値上げの影響で販売金額が大きく伸長した。
2位の玩具メーカー菓子は、アニメ・漫画IPに加え、VTuber関連商品の人気が押し上げた。
また、3位のほほべに、5位のしわ取り剤、7位の住居用クリーナーなどは「新機能・時短」といった付加価値商品がヒット。利便性と即効性が消費者の支持を集めた形だ。
さらに2026年の特徴として際立ったのが、ホルムズ海峡危機の影響だ。原材料不足への不安から、家庭用手袋(8位)、食品包装用品(11位)、ラッピングフィルム(13位)などナフサ由来製品の需要が3月以降急増した。
一方、コーヒーやプロテインは販売金額こそ伸びたものの、価格上昇による影響が大きく、数量ベースでは伸び悩むなど、物価高の影響が消費行動に影を落としている。
「苦戦」はコロナ関連商品の減少顕著
1位 検査薬 (前年比:80%)
2位 鎮咳去痰剤(同:83%)
3位 強心剤(同:86%)
4位 マスク(同:86%)
5位 体温計(同:87%)
6位 フルーツ缶詰(同:89%)
7位 靴クリーナー(同:90%)
8位 乳酸菌飲料(同:90%)
9位 総合感冒薬(同:90%)
10位 米(同:90%)
11位 ビタミンB1剤(同:91%)
12位 野菜ジュース((同:91%)
13位 うがい薬(同:92%)
14位 100%ジュース(同:92%)
15位 スピリッツ・リキュール(同:93%)
苦戦ランキングでは、新型コロナ関連商品の反動減が顕著となった。検査薬やマスク、体温計などは需要が一巡し、軒並み前年比割れとなっている。
特に注目されるのは、2025年「売れたものランキング」1位だったコメが、今年は10位に転落した点だ。価格高騰の影響が一巡したことが要因とみられるが、それでも2019年比では依然として高い水準を維持している。
また、訪日外国人に人気だった医薬品(強心剤やビタミンB1剤)も需要が落ち着いたほか、飲料では野菜ジュースや100%ジュースなど健康系製品にも陰りが見られた。
今年の消費トレンドは「不安対応」と「時短・機能性」
2026年上半期のランキングからは、大きく2つの消費トレンドが浮かび上がる。
ひとつは、社会不安に起因する“備え”需要。原材料不足への懸念から、保存・包装関連商品が急伸した点が象徴的だ。
もうひとつは、“時短・機能性”への強いニーズだ。手軽に使える掃除用品や美容商品が上位に入るなど、日常の効率化を重視する傾向が続いている。
物価高、国際情勢、猛暑と、複数の要因が重なった2026年前半。消費の動きは、単なる流行にとどまらず、生活防衛意識を色濃く反映したものとなった。
年間ランキングでは、こうした流れがどこまで続くのかも注目される。
