雨が降っていない中、突然の土砂崩れだった。

大分県九重町で17日夜、突然土砂崩れが発生。住宅1棟が全壊し住人の女性が下半身が埋まった状態で見つかった。女性は警察と近所の人に救助されたが、足の骨を折る大けがをした。

土砂崩れが発生した現場周辺は1週間、雨が観測されていなかった。現地を訪れた専門家の見立ては…。

突然の土砂崩れ 住宅1棟全壊 住人の女性が大けが

土砂崩れが起きたのは九重町松木。土砂は家や車を押し流してしまうほどの勢いで流れ出ていて、道も塞いでしまっていた。

県や町によると、17日午後7時過ぎ近くに住む人から通報があった。

土砂が住宅に流れ込み1棟が全壊、この家に住む55歳の女性が下半身が埋まった状態で見つかり、警察と近くの人に救助された。女性は左足の骨を折る大けがをしたが、命に別条はない。

土砂崩れが発生した現場(発生当日)
土砂崩れが発生した現場(発生当日)
この記事の画像(7枚)

高さ約30m、幅10m 山肌が広範囲に崩れる

土砂崩れから一夜が明けた18日午前、住宅は大きく崩れ傾いたままとなっていて、現場では関係者による調査も始まった。

高さ約30メートル、幅10メートルほどに渡る今回の土砂崩れ。ドローンの映像から山肌が広範囲に崩れているのが確認できた。

現場周辺では17日までの1週間、雨は観測されていない。当時の様子について近くに住む人は「最初トラックか何かが事故をしたかなというくらい振動と音が激しい。土砂が水と一緒のような感じで速く流れて隣が巻き込まれて、大変なことが起きたなと」と驚いていた。

土砂崩れが発生した現場
土砂崩れが発生した現場

現場は土砂災害特別警戒区域 町は警戒レベル4の避難指示発令

土砂崩れが発生した場所は土砂災害特別警戒区域に指定されている。
また、急傾斜地崩壊危険区域にも指定されていて、流れ出た土砂を食い止めるため県が住宅の山側にコンクリートの壁を建設している最中だった。

18日、県は二次災害を防ぐためシートなどを設置した。

一方、この土砂崩れで9世帯30人が近くの公民館などに自主避難した。

その後、九重町は指定避難所を開設し、18日午後6時に土砂崩れが起きた松木地区に警戒レベル4の避難指示を発令。対象は9世帯30人。

土砂崩れが発生した現場
土砂崩れが発生した現場

専門家が現地調査「多くの水が含まれる段階だったと推測」

現場周辺では17日までの1週間、雨は観測されていない、こうした状況で発生した土砂崩れについて現場を訪れた大分大学減災センターの鶴成悦久教授に聞いた。

ーー大分大学減災センター鶴成悦久教授
「土砂が流動化している。崩れる前の段階の中ではおそらく多くの水が含まれる段階にあったんだろうということは大いに推測できる」

崩れた部分には農業用の水路が通っていたというが土砂災害との因果関係は詳しい調査が必要としている。

土砂崩れ翌日に行われた現地調査
土砂崩れ翌日に行われた現地調査

過去にも中津市で“降水なし”の状態で土砂崩れが発生し6人が亡くなる

一方、2018年には中津市耶馬渓町で今回と同じように、雨が降っていないにも関わらず土砂崩れが発生し6人が亡くなった。

この時の原因については県が設置した委員会が「地下水が集まりやすい場所で地盤の強度が低下した事などが考えられる」と結論付けている。

今回の原因の調査についてはこれから本格化するが、鶴成教授は二次災害への注意と対策が必要と指摘していて「梅雨時期にもなっているので、一旦崩壊したところのさらにその横が不安定さを持っている。そういったところが崩壊しないように県も一生懸命対策を練っていく形になる」と述べた。

土砂崩れが発生した現場
土砂崩れが発生した現場

発生から2日後、現地では雨が降り二次災害の恐れから、復旧作業は一時中断された。
梅雨の時期に起きた今回の土砂崩れ。避難した住民の女性からは「とにかく夜が眠られない。初めての避難だから。元に戻って安心して家に帰られたらそれが一番」と不安の声が聞かれた。このあと、雨が小康状態となったことから、作業は再開され、土のうの設置などが行われた。

その後、二次災害を防ぐ応急工事が進んだとして、町は避難指示を一部解除。ただ、23日正午時点で2世帯10人に避難指示は継続している。

土砂崩れが発生した現場
土砂崩れが発生した現場
テレビ大分
テレビ大分

大分の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。