「セキュリティ上の理由により、この PC へのアクセスはブロックされました」。
鳴り響く警告音と「サポート窓口」の電話番号。
これは、いま全国で急増する「サポート詐欺」の手口だ。
突然、Windowsの警告画面に
6月3日午後10時ごろ。関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」の番組スタッフがニュースサイトを開こうとしたところ、Windowsの警告画面が表示された。
画面には「セキュリティ上の理由により、この PC へのアクセスはブロックされました」の文字とともに、「Windowsサポート窓口」として電話番号が案内されていた。
番組ディレクターは、この詐欺の手口を取材するため、表示された番号に実際に電話をかけてみた。

表示された番号に実際に電話をかけてみると…
電話に出たのは、「ジャック・ウィリアム」と名乗る男性だった。
ジャック・ウィリアム:日本マイクロソフトのコールセンターから話しています。私の名前はジャック・ウィリアムさんです。マイクロソフトのエンジニアさんですね。
たどたどしい日本語でそう告げると、すぐに操作指示が始まった。
ジャック・ウィリアム:キーボードの四角いマークのボタンを押しながら、ローマ字のRボタンを同時に押してください。
これはWindowsの「ファイル名を指定して実行」を開く操作だ。
続けて、「名前のところに全部小文字でwを3回、ドット、大阪のO…」と入力を指示し、最後にエンターキーを押させようとしてきた。

福岡でも「ジャック・ウィリアム」が登場
同様の事例は、関西テレビだけではなかった。
福岡のテレビ西日本でも、報道取材部長のパソコン画面が突然切り替わり、マウスもキーボードも一切効かなくなったという。
警告音が鳴り響く中、スタッフが表示された電話番号に電話をかけるとまた「ジャック・ウィリアム」が出てきた。
たどたどしい日本語、WindowsボタンとRを同時に押せという指示、空欄へのファイル名入力。すべてが一致していた。

「最終的には遠隔操作アプリをインストールさせようとしてくる」
この手口について、詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明さんはこう解説する。
詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明さん:典型的なサポート詐欺という手口です。パニックに陥るような画面を出して、チェックする必要があると言い、丁寧にボタンを押させる。最終的には遠隔でパソコン操作できるアプリをインストールさせようとしてくる。
電子マネーを購入させたり、ネットバンキングで送金させたりすることが詐欺グループの最終目的だ。
ネット詐欺の相談を受ける団体によると、ことしに入って3月までの3500件の相談のうち、サポート詐欺だけで1000件を超えているという。

「ヤクザのせいで辞めることができない」
テレビ西日本記者が何度も電話をかけ続けたところ、ある時「マリア・レイ」と名乗る女性が出た。
「詐欺ですか?」と問い詰めると、女性は詐欺であることをはっきりと認めた。
マリア・レイ:こちら詐欺です。今日、1000万円くらいとった。ヤクザのせいで私は辞めることができない。みんな辞めることができない、パスポートを……。
パスポートを取り上げられ、強制的に働かされているというのだ。
女性は途中から泣き声になり、電話はつながらなくなった。

「詐欺のコールセンター」はインドに
詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田さんは十数年前からこうした番号に電話をかけ続けてきたという。
詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明さん:(詐欺のコールセンターは)基本的にインドが多い。電話番号にかけるとカタコトの日本語を話す外国人が出てくるのも1つの特徴です。マニュアル通りいかないと思ったら電話を切れと教えられています。
マニュアル通りに進まないと判断すれば、すぐに電話を切るというのが詐欺グループの行動原則のようだ。

警告画面が出ても、慌てて電話しない
では、実際にこの画面が出たらどうすればいいのだろうか。
詐欺・悪質商法ジャーナリストの多田文明さん:警告画面は広告と同じ仕組みを使っている。この時点ではまだ乗っ取られていない。落ち着いてESCキーを長押しするか、再起動やシャットダウンをすれば、画面は消える。
つまり、警告音が鳴り響き、フルスクリーンで操作できなくなっていても、その段階ではパソコン自体はまだ安全だということだ。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年6月19日放送)


