国内最多ともいわれるカンガルーを飼育している北九州市の『響灘緑地グリーンパーク』。実は、93頭全てのカンガルーの顔を見ただけで、“どの子”なのか判別できる飼育員が、見分けのノウハウを記した『トレーディングカード』を作り話題となっている。
カンガルー93頭 顔だけで判別
カンガルーの顔だけを見て名前を言い当てるのは、『響灘緑地グリーンパーク』飼育員の植村祥伍さん(38)。「この子が『ユリーカ』ちゃんですね。

で、この子が『ラッパ』ちゃん。

そして、この子が『ラッパ』ちゃんです」と瞬時にカンガルーを判別していく植村さんは、人の顔と同じように見分けられると話す。

「僕は、人の顔が違うのと同じように、カンガルーの顔も捉えて見分けている。でも人に話してもあまり分かってもらえない」と苦笑する。

毎日カンガルーたちと接する植村さんだけの“特殊技能”とも言えるが、「カンガルーを見に訪れる人達にも1頭1頭に注目して欲しい」という思いが募り、遂には、「カンガルーのトレーディングカードを作りました」と胸を張る。

『トレーディングカード』で顔判別
植村さんと同じように顔だけで見分けられるようにと作られた『顔写真付きのトレーディングカード』。カードには、名前はもちろん、生まれた年や特徴、それに好物も書かれている。2026年4月に発売された第1弾は、20頭分で1枚100円。

「『1頭1頭見分けたい』という人は以前からいたので、そういった人達の声も今回のグッズ化に繋がりました」と話す植村さん。果たして、このカードで、どこまで見分けることができるのか?この日、幼い男の子を連れて来園していた家族3人が挑戦した。

まずは、メスの『カップ』から。

カードには、『2015年生まれ。特徴は、右目の下の黒い模様』と書いているので、早速、特徴に合うカンガルーを探し始める親子。男の子が母親と一緒にカンガルーの顔を見比べていると、特徴が一致するカンガルーを発見!

更にじっくりと観察する。果たして、本当に『カップ』なのか?家族の視線が植村さんに集まると…「この子は、カップちゃんです!おめでとうございます!」と植村さんが正解を告げる。見事、カードを頼りにカンガルーの見分けに成功した。

次に探すのは、2005年生まれの21歳。人間でいうと100歳を超える日本最高齢の『クレオ』。

『鼻と耳の付け根の毛が白くなっているのが特徴』だという。男の子は、カードを手に目と鼻の先までカンガルーに近づき、まじまじと顔を覗き込む。母親から「若い?最高齢っぽくはない?鼻は白い気がするけど…」などと話しかけられ、更に凝視。

家族一緒にカンガルーたちを見つめる続けること約5分。「えっ、この子やない?この子やない?」と1頭のカンガルーに近づくと…「この子が…クレオちゃんです。正解です!」と植村さんが答えた。

「やった~!凄いやん」と大喜びの3人。全く基礎知識のない一般の親子が、2回連続で正解したことから、カードの効果は抜群のようだ。
“推しカンガルー”を探して
「普通だったらパーッと見て、サーッと終わるかもしれないけど、1頭1頭こうやって違いがあって、楽しんでカンガルーを探せたし、名前とか分かったら愛着がわく」と母親が息子を見つめながら笑顔で話す。

「1頭1頭に注目していただくのは、とても嬉しい。カンガルーも顔も違えば性格もそれぞれなので、その違いを見て感じてもらって楽しんでいただければ」と話す植村さん。

現在、第2弾のトレーディングカードの制作も検討中とのことで、担当者らは、カードを見ながら、『推しカンガルー』を探してみて欲しいと来園者に呼び掛けている。
(テレビ西日本)
