2020年の7月豪雨で被災した住宅の再建工事をめぐる裁判。人吉市の男性3人から総額1800万円余りをだまし取った罪に問われた建設業の男に実刑判決です。熊本地裁は10日の判決で、被告の男に懲役3年6カ月を言い渡しました。
判決を受けたのは、事件当時、人吉市で『匠工務一級建築士事務所』の代表を務めていた山口 卓三 被告(77)です。
起訴状などによりますと、山口被告は、2020年の7月豪雨で被災した人吉市の男性3人に対し、住宅の新築工事費用や土地購入代金の名目で計1810万円をだまし取った罪に問われていました。
山口被告は初公判で起訴内容を否認し無罪を主張していました。
10日の判決で熊本地裁の賀嶋 敦裁判官は、新築工事費用名目で3人から1500万円をだまし取った罪について、「災害で住居を失った被害者から多額の金銭をだまし取っていて、卑劣な犯行というほかはない」と指摘。
懲役3年6カ月を言い渡しました。(求刑懲役5年)
その一方で、土地購入代金名目で被害者1人から310万円をだまし取った罪については「合理的な疑いが残る」として無罪としました。
【熊本豪雨建築被害者救済弁護団 原 彰宏 団長】
「一区切りではあるが、被告人から被害弁償の申し入れもない。完全に(被害が)回復できるまで終わりではないと思うので、できる限りのことを尽くしていきたい」
また、この事件をめぐっては、今回の被害者2人を含む5人が、被告の男に損害賠償を求める民事裁判を起こし、熊本地裁人吉支部はことし1月、被告の男に2800万円余りの賠償を命じています。