私たちの家計にも大きな影響を与える、金利の引き上げ「利上げ」が行われるか注目されています。
フジテレビ・智田裕一解説副委員長と詳しく見ていきます。
遠藤玲子キャスター:
日銀は来週の会合で政策金利を現在の0.75%から、1%程度に引き上げる見通しが強まってきています。なぜ今、利上げするのか、智田さんによりますと、大きな理由は「物価高を抑えるため」だということです。
榎並大二郎キャスター:
値上げのニュースを連日のように伝えているわけですが、何でこのタイミングでの利上げなのか気になりますね。
智田解説副委員長:
中東情勢が悪化する中で、日銀は物価が上がるのを抑えるために金利を引き上げるのか、それとも景気を冷やさないようにするために金利を据え置くのか、どっちが適切なのかというのを見極めてきたわけですが、物価上昇が幅広い品目に及ぶ中で、景気が下向くリスクよりも物価が上昇するリスクのほうを重く考えないといけない、そんな判断が働いているとみられます。
遠藤玲子キャスター:
天秤にかけて、物価を抑えるためには利上げをしなければならないとなったわけですが、では、利上げが行われた場合、一般的にどんな影響があるのでしょうか。
まずメリットとしては、「物価上昇を抑えられる」「預金の利息が上がる」。
一方でデメリットとしては、「景気全体が冷え込んでしまう」「住宅ローンを借りている方にとっては金利が上がると負担が増えてしまう」などこういったことが挙げられます。
山崎夕貴キャスター:
住宅ローンを抱えている人にとってはショックな状況になりますけど、具体的に利上げをするとどういう流れで物価が落ち着くんですか?
遠藤玲子キャスター:
そこを詳しく見ていきたいと思います。物価高を抑える狙いがある中で、なぜ利上げをするのか。
金利を上げる、ローンが上がると、お金を借りる人が減ります。そうなると、銀行にお金が残って、世の中に出回るお金は減ってしまいます。お金が出回らない、動きがないということは、私たちが物を買ったりサービスを買ったりということに対する購買意欲が減ってしまう。購買意欲がなくなると、お店の人からすると「値段は上げられない」となるので、結果的に価格が抑えられて物価が落ち着くという流れになるわけです。
山崎夕貴キャスター:
一般的にはこういうことだということですが、本当に今回、利上げして、こういうふうに物価が落ち着くということになるんですか?
智田解説副委員長:
市場関係者の間で上がっているのが、日銀が物価情勢に遅れることなくタイミングよく適切に対応できているんだろうかという指摘なんですね。
前回、4月に日銀は会合を開いたんですが利上げは見送りました。その時、政策を決める9人のうち3人は利上げを主張していて、多数決で金利を据え置くことを決めたんです。そのように金利を維持した前回の判断から変わって、今回は利上げに踏み切る見通しが強まったわけですが、市場関係者からは「物価抑制に向けた日銀の政策は、すでに後手に回っているんじゃないか」とそんな声も上がっています。
榎並大二郎キャスター:
仮に利上げしても物価高を抑えることができなかった場合に、さらなる利上げの可能性もあるわけですか?
智田解説副委員長:
そうです。市場の関心は、今後、日銀が利上げをどう進めるか、そこに移っていて、さらなる利上げをどの時点で実施していって、最終的にどの水準まで金利を引き上げるのか、ここに視線が集まっているんです。
今、原油価格の高止まりが続く可能性が指摘される中で、物価と景気の両方に目配りした金融政策をタイミングを逃さずに進められるのかどうか、日銀はとても難しいかじ取りを迫られることになりそうです。
榎並大二郎キャスター:
スーパーの値札を見てもため息が出て、住宅ローンの明細を見てもため息が出るっていう状況で、両方に影響してくる話ですので、どこまで物価高を抑えることができるのかということは注視していきたいと思います。