「子どもよりもテンションあがってしまいました」「涙出る」——そんな声が沿道に広がった輪島市民まつり。地震と豪雨の傷痕が残る能登・輪島市に、東京ディズニーリゾートのパレードが12年ぶりに訪れた。仮設住宅で暮らす人々も沿道に繰り出し、ミッキーマウスやミニーマウスとの思わぬ"再会"を果たした週末だった。

12年ぶりの再会——ミッキーとミニーが輪島に勢揃い

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城下町・金沢の初夏を彩る「金沢百万石まつり」が今年も開かれた。お松の方役を俳優の菅井友香さんが務め、前田利家公役を俳優の大東駿介さんが担った。

お松の方役の菅井友香さん
お松の方役の菅井友香さん

大東さんは沿道の観客に向けて右手を挙げながら笑顔で応えた。「出立じゃ」という凛とした声が行列に気合を吹き込み、沿道には大きな歓声があがった。

利家公役の大東駿介さん
利家公役の大東駿介さん

今年の行列には能登からも彩りが加わった。志賀町の富来地区のキリコが参加し、高さ7メートル以上の巨大なキリコが金沢市内をゆっくりと練り歩いた。能登半島地震で被災した地域から、伝統のキリコが金沢の大通りを進む姿は、復興への意志を静かに示すものでもあった。

規模縮小でも「輪島市民まつり」は開催

百万石まつりが金沢を盛り上げていたのと同じ頃、能登の輪島市では「輪島市民まつり」が開かれていた。

2024年の能登半島地震、そしてその後の豪雨被害の影響を受け、輪島市民まつりは去年に引き続き規模を縮小しての開催となった。それでも会場には航空自衛隊のF-15戦闘機による飛行展示や、救難ヘリのデモンストレーションが実施され、青空のもとで白い飛行跡を描くF-15の姿に集まった人々は大いに沸いた。

会場にはテントや屋台が立ち並び、家族連れや子どもたちが笑顔で行き交う光景が広がっていた。規模を縮小しながらも、まつりの温もりは確かにそこにあった。

「ミッキーが来るって聞いて」——沿道を埋めた人々

そのまつりの会場で、ひときわ大きな期待を抱いていた人々がいた。沿道にはシートを敷いて場所取りをする人の姿が早くから見られた。集まった子どもに「誰に会えるのが楽しみ?」と問いかけると、間髪を入れず「ミッキー」という答えが返ってきた。お目当ては、東京ディズニーリゾートによるパレードだ。

近くの仮設住宅に住む女性は、パレードのことを知らないままたまたまその場にいたようだ。ミッキーマウスが応援に来てくれると聞かされると、「それでみんなここに並んでいるんだ」と驚いた表情を見せた。

そしていよいよパレードが始まった。ミッキーマウスやミニーマウスなどディズニーのキャラクターたちが輪島市に勢揃いし、沿道の人々に手を振り続けた。

輪島市でのパレードは2014年以来、実に12年ぶりのことだ。被災地への特別な訪問として実現したこのパレードに、沿道に集まった人々の表情はみるみる明るくなっていった。

パレードのクライマックスとなったのが「ジャンボリミッキー!」のダンスパフォーマンスだ。地元の子どもたちも参加し、キャラクターたちと一緒に体を動かす姿に会場は大いに盛り上がった。「ジャンボリミッキー、ジャンボリミッキー!」と声を上げる子どもたちの笑顔が会場を包み込んだ。

「子どもよりもテンションあがった」「涙出る」——響き合った喜びの声

パレードを楽しんだ訪問者の一人は、ミニーマウスの耳をつけながら「最高でしたね。こんな近くで見ることなかなかないので、子どもよりもテンションあがってしまいました」と興奮冷めやらぬ表情で語った。

パレードのことを知らずに偶然居合わせた仮設住宅暮らしの女性は、じわりと目に涙を浮かべながらこう話した。「だいぶ前かね、東京に行って見たは見たけど、こんだけいい顔に見れなかったから、今最高。うれしいね、涙出る」。

東京でかつて遠くから眺めたあの夢の世界が、地震と豪雨で傷ついた輪島の地にやってきた。その感動は、距離や状況を超えて伝わるものだった。

会場にはダッフィーのバスも登場し、多くの人でにぎわった輪島市民まつり。会場に集まった人々の顔には、心の底から弾けるような笑顔があった。

地震と豪雨という二重の災害を経て、今も仮設住宅での暮らしを余儀なくされている人々が少なくない輪島市。規模は縮小しながらも、まつりを開き続けることで地域のつながりを守ろうとする思いと、東京ディズニーリゾートが12年ぶりに足を運んだという事実が重なり合い、この週末は復興への力となる笑顔があふれる特別な一日となった。

(石川テレビ)

石川テレビ
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