鹿児島市で開催中の展覧会です。
初出展の作家から41回に渡り出展を続ける作家まで、作品にはそれぞれの視点が映し出されています。
美川愛実キャスター
「41回目を迎えたむ展。テーマは、”はみ出す”です」
鹿児島市の鹿児島市立美術館で始まっているむ展。
武蔵野美術大学の卒業生を中心に20代から90代までの作品が並びます。
会場には枠にとらわれない作家の視点が。
こちらはフレスコ画で描かれた釈迦涅槃像。
フレスコ画は漆喰に顔料を使って描く手法で、イタリアなど教会の天井画でも知られていますが、こちらに描かれているのは涅槃像と13人の僧侶、仏教の世界です。
描いたのは今回初出展の小森紀綱さん。
画家 小森紀綱さん
「実家がお寺で僕自身も高野山で修行して、母がカトリックで知人にもヒンドゥー教とかいろんな思想の人がいて、素材そのものの色、岩石や昆虫から抽出した色素が他の油彩や水彩では見えない本来の色が最後まで残るのがフレスコ画のいいところ」
様々な宗教と関わる中で見つめた祈りです。
初回から出展を続ける画家の作品も。抽象的な線が重なり浮かび上がる顔。
タイトルは「アジアの悲しみ」。
41年前にこのむ展を立ち上げた中原照男さんの作品です。
1976年、フィリピンで日本人学校の教師になり、格差や戦争の現実を目の当たりにしたことを機に描きました。
塗り重ねられた色は時折顔のように見えることも。
無意識に線を描き浮かび上がってきたものです。
画家 中原照男さん(86)
「あんまり考えて硬くなると良くないので、自然に、自分の体を自然が、ぐーっと動かすようなそういう状態で生きないといけない、何であっても。いい社会をつくろうねって、それが第一」
40回の節目を終え、新たな一歩を踏み出したむ展。
そこには枠にとらわれず、自分のものさしで物事を見つめる作家たちのまなざしがありました。
む展は7日まで開かれています。