台風6号の直撃により、鹿児島県奄美大島の農業にも深刻な影響が出ている。奄美市名瀬の小湊地区では、特産のパッションフルーツを栽培するハウスで約100キロの果実が落下し、廃棄を余儀なくされた。さらに、落下を免れた果実にも傷がつき、出荷できない可能性があるという。収穫のピークを前にした農家の不安は大きい。

ハウスを守ったが、果実は落下

台風6号の接近前日にあたる5月31日、あいファームの田中幹雄代表は強風からハウスを保護するためのカバーを外す判断を下した。ハウス自体の損壊を防ぐための苦肉の策だった。

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台風が通過した6月3日、ハウスの中には無残な光景が広がっていた。収穫できる赤紫色に熟した果実も、これから色づく段階の青い果実も、次々と地面に落下していたのだ。田中代表は「ハウスを守る目的は達成したが、予想以上に果実の被害が多くて、これからどうしようかなというところ」と肩を落とす。

例年収穫量の1割以下、約100キロが廃棄へ

あいファームでは例年、約1200キロのパッションフルーツを収穫している。しかし2026年はまだ全体の1割にも満たない量しか収穫できていない状況だ。今回の台風6号で落下した果実は約100キロにのぼり、これらはすべて廃棄せざるを得ないという。

被害はそれだけにとどまらない。落下を免れた果実にも、強風にさらされたことで表面に傷がついており、出荷できない可能性があるという。田中代表は「風に揺られているので傷がついている。加工用ぐらいかな」と語り、出荷できたとしても通常の販売ルートには乗せられない現実を認める。

「今残っている果実がちゃんと熟して商品になるかよくわからない」

田中代表が最も不安視しているのは、今後の見通しが全くたたない点だ。「今までこうなったことがないので、今残っている果実がちゃんと熟して商品になるかよくわからない。様子を見てどうなるか販売は厳しいかと思う」と話す。

収穫のピークを迎えるはずの季節に、落下・傷つきという二重の打撃を受けた奄美のパッションフルーツ。朝から太陽が照りつける小湊地区では、本来なら活気あふれる収穫作業が始まる時期のはずだった。地域の特産品を守り続ける生産者にとって、例年にない厳しい夏となっている。

(動画で見る▶台風6号 奄美大島のパッションフルーツ農家に直撃 100キロ落下・廃棄 残る果実も出荷困難の恐れ)

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