前代未聞の巨額不正融資が発覚したいわき信用組合。業務改善命令を受けてから1年が経った。地域の信用を取り戻せるか?組織改革はいまだ途上だ。

■約280億円の不正融資
不正融資に使用されたとみられる印鑑。印鑑には名義人などの名前が書かれ、袋には支店名が記されているとみられる。
これらの印鑑を使用して預金者の名義で勝手に開設した口座や、ペーパーカンパニーを使って長年にわたる不正融資を繰り返していたいわき信用組合。
その額、約280億円。反社会的勢力への資金提供なども明らかになっている。
預金者は「裏切られたかなっていう気持ちがあるんですけど、新しい経営陣に期待をかけて、頑張って欲しいなと思うしかない」と語る。

■地域密着の対応は変わらずに
震災後から企業融資を受けてきた、いわき市小名浜の塗装会社『志賀塗装』志賀晶文社長は「最後の砦という言葉のイメージからは、相談しやすくて親身になって色々聞いてくれる・一生懸命やってくれてるっていうイメージはある」と話し、震災や新型コロナの流行で緊急の対応が必要な際に、積極的な融資を行ってくれたという。
組織改革に取り組んでいるいわき信用組合に対して、昔と変わらない『地域密着』の対応に期待している。
「書類確認は増えているという話も聞きました。普通の銀行と言ったら変ですけど、ちゃんと担保を確認するとか、そういった面も増えてるんだとは思う。従来の良さを失わずに、バランスも持って欲しいなとは思います」と話した。

■損害賠償訴訟
不正融資を巡って、いわき信用組合は江尻元会長など旧経営陣あわせて20人に、32億円あまりの損害賠償の支払を求めて提訴。
これまでに7人の元役員が、請求棄却を求めていることが分かった。
7人は、不正は江尻元会長などが主導していて、旧役員が連帯ではなくそれぞれが負うべき責任を明確にするように主張する一方で、組織全体で行われた不正の全容解明を求めている。

■信用を取り戻すために
これまで全役職員のコンプライアンス研修の実施や、反社会的勢力との関係の解消、マニュアルの再整備などに取り組むいわき信用組合。
一方で預金残高は、2025年9月時点で同じ年の3月から420億円と大幅に減少した1518億円。
一連の不祥事で預金者が他の金融機関に預金を移し替えるなど、経営そのものに大きな影を落としている。
改善状況などについて、いわき信用組合は福島テレビの取材に対し「個別のコメントについては、控えさせていただきます」としている。

『最後の砦』だった地域の信用を取り戻せるか、組織の姿勢が問われている。

福島テレビ
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