自民党の日本成長戦略本部は28日、「『文理の壁』を超えてイノベーション等を担う女性人材を育成する」として、大学の工学系学部の女子学生数の割合を2040年までに倍増させる目標などを盛り込んだ提言案を大筋で了承した。
本部長を務める岸田元総理は、提言案の取りまとめについて「各国が強力な産業政策を進めている中、新たな潮流のもとで我が国においても官民連携のもと成長投資、危機管理投資を強力に進めていかなければならない」と強調した。
提言案は、「徹底した投資による『強い経済』の構築と物価上昇に負けない賃金上昇の実現」など5つの原則を掲げて、官民の力を結集し『新たな成長』を切り拓く」とした。
具体的には、政府が掲げる17の戦略分野を中心にとして、「様々なリスクを最小化する『危機管理投資』、先端技術を花開かせる『成長投資』の促進に徹底的なてこ入れをしなければならない」と指摘し、17分野の総合的な展開を求めた。
また、この2つの投資については、予見可能性を高めるべく「新たな投資枠」の創設も求めた。その上で、経済安全保障上の重要分野における投資ついては、「複数年度で財源を確保した上で、別枠で管理する」ための政策手段の検討を求めた。
さらに、「人材なくして投資は実現しない」として、リスキリングの充実・強化のもと、17分野における人材育成の促進や、建築・医療・介護・障害福祉などの分野での持続的な賃上げを掲げた他、「女性活躍は、『人材の結集』の重要な要素だ」として、「『文理の壁』を超えてイノベーション等を担う女性人材を育成するべく、大学の工学系学部の女子学生数の割合について、直近(2025年、18%)から2040年に36%への倍増を目指すべきだ」と明記した。
一方、「戦略分野における官民連携の投資は、国内だけをそのターゲットにしていては、大きな成果を挙げることは期待できない」と強調し、グローバルサプライチェーンの強靱化や同盟国・同志国との連携強化を求めた上で、「グローバルサウス諸国を含む海外需要を開拓していくことが不可欠だ」として国・地域別に戦略を構築すべきとした。
岸田氏らは近く、高市総理に提言を手渡す予定で、提言内容は高市政権が夏に策定する「骨太方針」などに反映される見通しだ。