新潟県知事選挙の争点となっている柏崎刈羽原発。再稼働に至るまでの政治姿勢やこれからの対応について各候補の訴えをお伝えします。
県知事選挙には、届け出順にいずれも無所属で現職の花角英世さん、新人の土田竜吾さん、新人の安中聡さんの3人が立候補しています。
■“原発再稼働問題”候補者3人の第一声
5月14日、告示日の第一声。
【無所属・現職 花角英世 候補】
「長年の県政の課題でありました柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題についても一つの区切りをつけることができました。本当に多くの県民の声を聞きました。色んな心配・不安がある。また、期待もある。そんな中で一つの結論を出しました」
【無所属・新人 土田竜吾 候補】
「花角知事が昨年の12月柏崎刈羽原発の再稼働を了解しました。初当選以来、『職を賭して県民に信を問う』と申し述べられていながら、県議会にその判断をゆだねた。県民との約束を反故にした」
【無所属・新人 安中聡 候補】
「新潟県がしっかりと安心・安全に住んでいける未来に向かって羽ばたくには、柏崎刈羽原発を廃止しなければならない」
候補者3人が一様に触れたのが原発の再稼働問題についてです。
■柏崎刈羽原発 再稼働までの動き
福島第一原発事故後2012年以降、全ての原子炉を停止していた東京電力・柏崎刈羽原発。
原発の安全性などに関する検査を終え再稼働に向けた焦点が地元同意のみになると、政府は道路や港湾などの整備を支援する原発特措法の対象範囲の拡大を決定。
さらに東京電力も再稼働後に1000億円規模の資金を拠出すると表明し、国とともに立地地域のメリットを求める声に応える姿勢を示してきました。
そして、避難道路の早期整備や監視体制の強化など国への要望の対応が確約されたため、県は再稼働を了承。
ただ、その課程の中で県民投票や知事選という場で県民が直接意志を表明する機会は設けられませんでした。
■花角候補 “原子力防災”の取り組み充実へ
8年前の知事選以来、再稼働の判断については「県民に信を問う」と繰り返してきた現職の花角英世さん。
去年、再稼働容認の判断をした際は自身の信任・不信任を県議会に諮ることを選択しました。
【無所属・現職 花角英世 候補】
「県民が選んだ首長と県民が選んだ県議会の議員車の両輪で県政を動かしていく。これが地方自治の原則なので、県議会イコール県民の意思だと。分断を招かない一つのやり方だということも含めて、適切な方法だったと思っている」
その上で、国に安全対策の徹底を要求するとともに、県としても避難計画の実効性を高めるなど原子力防災の取り組みを充実させると訴えます。
【無所属・現職 花角英世 候補】
「万が一の事故に備えた避難計画の実効性を高める。避難道路や屋内退避施設を整備していく、除雪の体制しっかり整える」
そして、運営主体である東京電力に対しては、安全最優先での運転と事業を支える地域との共生を求めていくといいます。
【無所属・現職 花角英世 候補】
「地域との共生という観点から地域に対して何をしたらいいのか、地域に対してどういうことをしたらいいのかということを考えてもらいたいと思う」
■土田候補 常設型“住民投票条例”の制定を
一方、新人の土田竜吾さんは再稼働をめぐるプロセスに問題があったと指摘します。
【無所属・新人 土田竜吾 候補】
「二元代表制という制度の中で、県議会に知事を信任する権限はない。やはり、信を問うべきは県民であったということを、やはり私はしっかりと指摘をしていかなければならないと考えている」
「県民に信を問う」という約束が果たされなかったと現職を批判し、『新潟県のことは新潟県民が決める』をキャッチフレーズに選挙戦を展開。
県民の不安に寄り添う県政に転換するため、常設型の住民投票条例の制定を看板政策に掲げます。
【無所属・新人 土田竜吾 候補】
「新潟で電気を作って、新潟で電気を使う。エネルギーの地産地消。これを進めていくことが、将来、原発に依存しないエネルギー社会の実現に必ず近づく」
エネルギー政策については再生可能エネルギーの導入を通じた原発に依存しない社会を目指すと主張。
そして、東京電力へのチェック体制も強化していくとしています。
【無所属・新人 土田竜吾 候補】
「私は今回の、知事が再稼働を決めてからの知事の姿勢には大きな疑問がある。私が知事になったら、本当に些細な問題でも厳しくチェックをして、ともすれば新潟県と東京電力で結んでいる安全協定に基づいた立ち入り検査も含めて厳しく対応していきたいと私は考えている」
■安中候補 柏崎刈羽原発の“停止・廃止”訴え
この2人に対し、原発への反対を明確に反対するのは新人の安中聡さんです。
【無所属・新人 安中聡 候補】
「実際に事故が起きてしまってから対処する。避難計画を立てたからそれに沿っていけば皆さん安全ですよと言われても、土地はそうじゃない。人が住めなくなる、生活に使えなくなる。それだけで新潟県には大ダメージ」
自身が当選したら、避難道路の整備も進めつつ、柏崎刈羽原発の停止・廃止に向けて国や東京電力と交渉。
さらに、いずれ原発推進の知事が再び就任した場合に備え、県民投票条例の制定を目指します。
【無所属・新人 安中聡 候補】
「県民投票しなければ、原発は再稼働とか地元の同意というのは得られないというような形であれば、好き勝手できないということになるので、これはぜひとも、私は制定していきたいというふうに考えている」
県政と切り離すことのできない柏崎刈羽原発。そして県民の声とどう向き合っていくのか…新潟県の未来が託されるのはどの候補になるでしょうか。