5月中旬なのに猛暑日のエリアが出るなど、季節外れの暑さで需要が高まるエアコンですが、週末の家電量販店のエアコン売り場を取材すると、例年にない動きが出ていました。

Joshin 王子店 奥野拓也店長:
例年に比べて非常に多くのお客さまにご来店いただいています。この時期からこれだけエアコンの需要があるのは、珍しいことなのかなと思います。

この動き、背景にあるのは暑さだけではありません。
「エアコン2027年問題」とは “ナフサショック”も
奥野拓也店長:
2027年問題をきっかけにエアコンを買い替えようっていうお客さまが多く見られている印象です。

「エアコン2027年問題」とは、2027年4月からエアコンの省エネ基準が大幅に引き上げられ、基準を満たさない比較的安い現在のスタンダードモデルは、製造されない可能性があるというもの。
販売されるものについては、性能は良くなる一方で価格が一気に上がる懸念があります。

奥野拓也店長:
省エネ基準達成率が100%未満のものが(実質)製造できなくなることになります。10万円未満で買えたようなエアコンっていうのが、少なくなってしまうのかなと。
今後の価格上昇を懸念してか、売り場ではエアコンの駆け込み需要が高まっていました。

50代夫婦(エアコン約20年使用):
(夫)取り付けはいつでも構わないんだけど、とりあえず買っておこうかなって。
(妻)安いものを。
取材した家電量販店によると、4月のエアコンの売上高は2025年の約1.5倍になっているといいます。
こうした駆け込み需要の増加は、街の電器店にも広がっています。

――今何件ぐらい予約を抱えている?
栄電気 沼澤栄一社長:
今50件ぐらい。もう、(店の中も)段ボールだらけになっちゃったでしょう。全部売約済みで、工事に行く日を待っている。

こちらの電器店では、駆け込み需要もあってか、例年に比べ3倍ほどの設置依頼があるのだそう。
取材した日も、15年以上使用したエアコンの入れ替え工事が入っていました。ゴールデンウィーク前の4月に注文したものが、4~5日前に届いたといいます。

通常1週間前後で届くエアコンが約1カ月待ち。需要の高まりで生産が追いつかず、一部機種の到着に遅れが出ているといいます。
さらに、現場を悩ませているのが“ナフサショック”による材料の不足です。

例えば室外機を置いているプラスチック製の台も、ナフサショックのあおりを受けて不足している物の1つ。そのため、エアコンを設置したくてもできないところもあるそうです。
価格は倍以上、一方電気代は安く…どう考えるか
価格が高くなるといわれる「エアコン2027年問題」ですが、具体的にどれほど値上がりするのでしょうか。

節約アドバイザー 和田由貴氏:
エアコンは主に省エネ基準非常に優れた省エネ性能だったりとか、AIなどの最新機能が搭載されている上位機種・ハイエンドモデルと、標準機種・スタンダードモデル、この2つに分かれるんですね。
この2027年問題で価格が上がるというふうに言われているのが、標準機種・スタンダードモデルの方です。

倉田大誠フジテレビアナウンサー:
現行の基準のものは、14畳ほどの部屋につけるのは大体本体価格139,000円。これが新基準だと283,800円(144,800円値上がり)だから倍以上。
ただ一方でメリットとしては、1年間の電気代が12,900円ぐらい安くなりますよという、この部分の相殺をどう考えるのか…。
和田由貴氏:
新基準を満たすエアコンはかなり省エネ性能が向上しますので、初期費用は非常に高いんですけれど、トータルのコストで考えると現在の基準のエアコンよりも安くなるというふうにも考えられます。
新基準と現行のエアコン、“使い分け”としてポイントとなるのは「使う場所」だそう。

和田由貴氏:
比較的使用時間が長いところであれば、初期費用を回収できるぐらい省エネ性能が優れたものを使った方がいいと考えられるんですけども、あんまり長時間使用しないところであれば現行のモデルでもいいんじゃないかなというふうに思います。
また、自治体の補助金も活用できるところが多い。例えば東京都の場合、2027年の3月まで「東京ゼロエミポイント」という都内の住宅に省エネ性能の高いエアコンを設置するときに最大8万円分の値引きが受けられるという制度があります。
買い替えのタイミングは?
では、エアコンをどのタイミングで買い替えたらいいのか、買い替え時期のポイントを3つ教えていただきました。

〈エアコン 買い替えのサイン〉
①効きが明らかに悪い
②クリーニングしても異音・異臭がする
③13年以上使用
和田由貴氏:
もしまだ試運転されてない場合にはぜひ試運転していただきたいんですけれど、冷房の運転にして一番最低の温度にします。それで30分間ぐらい回して、明らかに冷風が出てこないとか効きが弱いという場合には壊れている可能性が高い。
においや音も試運転の時に確認できると思いますのでぜひ気にしてみてください。
(3つ目の13年以上使用については)内閣府の消費動向調査によると、平均使用年数が約13年ぐらいなんですね。6割以上の世帯の方が故障したから買い替えをしています。ですので、裏返すと13年くらい使ったら壊れる機種というのが非常に多いというふうに考えられます。
さらにメーカーの部品保証というのがあります。これはだいたい製造を中止してから9年から10年くらいで修理ができなくなるというふうになりますので、13年を超えてたりするといつ壊れてもおかしくないし、修理もできない可能性が高いということです。
また、どのように節約をしたらよいのかについても伺いました。

〈おすすめ エアコン節約術〉
①外出30分程度なら“つけっぱなし運転”
②風量設定は「弱」よりも「自動」
③風向設定は「ななめ下」より「水平」
よく言われる「外出30分程度であればつけっぱなし」や「風量設定を『自動』にする」の他、風向設定を「ななめ下」よりも「水平」にするとよいとのこと。
和田由貴氏:
冷たい風ってどうしても下の方に溜まってしまいますよね。下に向けてしまうとエアコンの真下あたりばかりが冷えてしまって、部屋全体に行き渡らなくなります。ですので水平の状態にして部屋全体に冷気を行き渡らせるのが無駄がないです。
(「ノンストップ!」5月25日放送より)
