東九州自動車道の宮崎~北九州間が開通してから10年の節目を迎えた。かつて9時間かかっていた移動時間は半分の4時間半へと短縮され、地域経済へ約1.6兆円もの波及効果をもたらす大きな力となった。私たちの暮らしや産業を支えるこの大動脈は、今どのような変化を遂げ、これからどこへ向かうのだろうか。
道路開通で物流に変化
4月24日、東九州自動車道の宮崎~北九州間が開通して10年を迎えた。宮崎県内の物流はどのように変化したのだろうか。
細島港や宮崎港から関西方面へRORO船(貨物車両をそのまま積み込める船舶)を運航している八興運輸。宮崎港からの輸送量が10年前の1.2倍に増加したという。

背景にあるのは、物流業界が直面する「2024年問題」だ。深刻なドライバー不足により、陸送から海上輸送へと切り替える動きが加速した。
定時性向上が支える農作物の鮮度維持
この転換において、東九州道の果たした役割は大きい。高速道路のネットワークが繋がったことで、船の出港時間に合わせた正確な陸上輸送が可能になり、船舶の活用を強力に後押しする結果となった。

八興運輸 佐藤博文専務:
出航に合わせてタイムリーで品物が高速道路を使って時間内に出航できるのは、この東九州自動車道のおかげだと思う。

輸送の定時性が高まったことは、鮮度が重視される農作物の輸送においても大きなメリットとなっている。

八興運輸では6年前に大型船を導入。冷凍や保冷に対応するため船内に電源設備を設け、農作物の広域輸送を展開している。
八興運輸の佐藤博文専務は「運転手不足や運航の社会的問題をクリアするためには、RORO船が少しずつ増えていくんじゃないかなと思う」と話す。
4車線化の推進と未開通区間の解消が急務
一方で、東九州道には依然として課題が残る。

九州経済調査協会の調査では、県内の東九州道は「車線の少なさ」や「休憩施設の不足」が指摘されている。
みやぎん経済研究所の志田克彦主任研究員は「利便性の向上に向けては4車線区間の拡張ですね」と話す。

現在、県内の東九州道で4車線化が完了しているのは、清武インターチェンジから宮崎パーキングエリア間の約3.7キロにとどまっている。
また、日南―志布志間の未開通区間の解消を待望する声も根強い。

みやぎん経済研究所の尾上和広常務理事は「今後も東九州自動車道と九州中央自動車道の整備を加速し、地域経済と海運も含めた広域の交通ネットワークが相互に進化していくことに期待したいと考えている」と話す。
経済の活性化だけでなく、救急医療や防災の面でも重要な役割を担う東九州自動車道。海陸一体となったネットワークがさらに進化し、地域の未来を支え続けるためにも、今後のインフラ整備の加速に期待が高まっている。
(テレビ宮崎)