気になる疑問やニュースのナゼを解き明かす「どうなの?」。
クマの出没が連日のように伝えられている中で、青森県が運営するクマの出没情報システム「くまログ」に不正確な情報が相次いで投稿され、大きな問題となっています。
山崎夕貴キャスター:
青森県は実際にクマが出没するエリアですし、参考にしている方も多いと思うので、嘘だと分かって投稿しているなら許されないことですよね。
安宅晃樹キャスター:
この嘘の情報の影響で、行政側も対応に追われる事態となったわけなんです。
そこで、26日のどうなの?は「クマ出没の嘘情報、罪に問われる場合も?」について見ていきます。
まず、この「くまログ」は青森県が管理・運営しているもので、誰でもホームページ上にクマの出没情報を投稿、そして確認ができるものなんです。
嘘投稿が相次いだのは19日のことでした。
内容としては、「ヒグマが線路上で乱闘を開始した」、「クマが300頭いた」などの嘘の投稿があったということで、19日だけで、県によると30件から35件もあったと。現在、投稿は削除されているといいます。
青森県の宮下知事はXで、この中で「県内の高校生による投稿もあった」と明らかにしています。
榎並大二郎キャスター:
明らかな嘘と分かるけれども、職員の皆さんは対応せざるを得ないということで、いい迷惑ですよね。
安宅晃樹キャスター:
実際に嘘の投稿があった19日には、青森市内で影響が出たわけなんです。
県の担当者によりますと、周辺には学校もあるということで、複数の小学校で登下校の際に保護者同伴で登下校を行うなど、対応を行ったそうです。
また、この嘘の投稿が多く出た19日の翌日、20日には県内の小中高、全校の児童・生徒に向けて「嘘の投稿などをしないように指導を行ってください」と県から学校側に対して依頼を行ったということなんです。
一連の出来事について「イット!」が青森県を取材したところ、回答がありました。
くまログの担当者は、やはりくまログというのは県民の善意の協力を前提としているため、この虚偽の投稿というのは生活に重大な影響を及ぼし、安全を脅かすことにもなるので絶対にやめていただきたいとしています。
また、一連の中で複数の不審な人物が関与しているというようなこともあるそうなんですが、こうしたものについては県警にデータを提供して対応を依頼したとしています。今後も、厳正かつ毅然とした対応をとるといった回答がありました。
三宅正治キャスター:
善意の協力で成り立っているものなのに、信頼性が失われてしまったらもう成り立たないじゃないですか。そうなると今後の運用にも支障が出る可能性もあるし、本当にこれ、腹立たしいね。悪質な行為だと思います。
安宅晃樹キャスター:
こうしたクマと偽情報を巡っては2025年、AIで生成されたクマの動画が物議を呼びました。
道端で座り込んだクマに餌付けをする人物の動画や、制服姿の女性たちが子グマを抱えている様子など危険極まりないシーンです。
これらはOpenAI社の動画生成アプリ「Sora」で作られたもの。
動画生成サービスが4月の26日に終了したこともあってか、2026年度はこれまで目立ったクマのAI動画が拡散されていないのですが、こうした動画、クマへの間違った対応を助長する懸念というところが指摘されてきたわけなんです。
実際に、AIで生成されたクマの画像を、実際に行政側が注意喚起で誤って使用したケースもあるんです。
2025年の11月のことですが、宮城県の女川町で「クマが目撃されました」と町が公式SNSで注意喚起の投稿を行ったんです。その際に使用されたクマの画像は市民からの情報提供であったものなんですが、実は、この画像というものが生成AIによるフェイク画像だったわけなんです。
これは、情報提供した人と別の人がこの画像を生成していたわけなんです。そして、クマの出没情報、この事実すらもなかったものだと判明したんです。
町はその後、謝罪をしたわけなんですが、この情報提供をした人に悪意はなく、勘違いが生んだ事案だったというわけなんです。
遠藤玲子キャスター:
クマの出没、緊急性も高いものですので、行政としても本物か偽物か、それを見極める時間もなかなかないというのもあると思うんですよね。これは難しいですよね。
山崎夕貴キャスター:
今回のケースは情報提供者、悪意がなかったということで、もしかしたら偽物と分からなかったのかもしれないですけれども、もし嘘だと分かって投稿したらどんな罰則があるんですか。
安宅晃樹キャスター:
その辺り、亀井・和氣法律事務所の亀井正貴弁護士にお話を聞きました。
こうした偽の情報をあえて故意に流していくということは、本当に関係する機関の業務を妨害し得る行為になりますので、偽計業務妨害に問われる可能性があるといいます。
罰則としては3年以下の拘禁刑、または50万円以下の罰金となるということなんですね。
実際に業務を妨害していなかったとしても、その危険性が高いと判断されれば法律で罰せられる可能性もあるといいます。
また、亀井弁護士は今回のくまログのケースですと、やはり一般に広く周知される県のサイト、青森県が運営しているサイトだからこそ悪質性が高いと指摘しています。
山崎夕貴キャスター:
やはり命に関わるものですし、公共性のあるものということで、野放しにはできないですよね。
安宅晃樹キャスター:
今回、偽の投稿を防ぐためにその後、くまログはシステムの変更をしたということです。
どのような改修が行われたのかというところなんですが、投稿の際に「投稿者の連絡先」の入力欄を追加して、電話番号をきちんと入力しなければ投稿ができないようにシステム変更を行いました。
この結果としてなんですけれども、依然として誤った目撃情報や誤った情報はあるものの、先ほども紹介したような悪質な投稿、これらはなくなったといいます。
ということで、26日のどうなの?は「クマの出没・嘘情報、罪に問われる場合」について見てきましたが、今回、青森県が運営するくまログに相次いだ嘘投稿によって、県側はサイトの改修を余儀なくされるなど、県が対応に追われました。
また、法律の専門家に取材したところ、こうした嘘投稿というのは偽計業務妨害に当たる可能性もあると指摘しています。
榎並大二郎キャスター:
たとえ悪ふざけだったとしても、思わぬ代償を払うことになりますし、このサイトが誰のためにどんな思いで作られたかというところに思いをはせてほしいなと思います。