兵庫県たつの市で母と娘が殺害された事件で急展開です。
住所・職業不詳の大山賢二容疑者(42)は今月13日ごろ、たつの市の住宅で田中千尋さんを刃物で刺して殺害した疑いが持たれていて、指名手配されています。
今月19日に田中千尋さんと母の澄惠さんの遺体が発見されましたが、捜査関係者によると、16日に大山容疑者が兵庫県高砂市の路上で寝ているところに警察官が話しかけていたことが分かりました。
大山容疑者は「人を殺した」と話しましたが、その際、大山容疑者の話に具体性が無く、事件を把握できなかったということです。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」は、元神奈川県警捜査一課長・鳴海達之氏が警察の職務質問や保護活動について解説しました。
■遺体発見の3日前に警察官が職務質問をしていたことが明らかに
16日には、たつの市の現場から車で1時間ほど離れた高砂市内の路上で大山容疑者に対して警察官が職務質問をしていたことが明らかになっています。
路上で寝ていた大山容疑者を保護した際、事情聴取のなかで「人を殺した」という発言が出たといいますが、話に具体性はなく、その後大山容疑者はたつの市の現場付近まで送り届けられ、身柄の確保には至りませんでした。
今回の兵庫県警の対応について、元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之氏は、職務質問について説明しました。
【鳴海達之氏】「そもそも職務質問をした端緒は、『保護活動』なんですよね。路上で夜そのまま寝ていると車にひかれたり、凍死したりする可能性があるので、適切に保護して生命を守る活動の一つです」
その保護活動の中で「人を殺した」という発言が出た場合、警察はどう動くのでしょうか。鳴海氏は「こういう話は別に珍しいことではない」と話します。
【鳴海達之氏】「こういう話は別に珍しいことではないんですよ。もしそれが本当だったら大事件になるので、警察はちゃんと話を聞く。一旦警察署に任意同行して、夜間であれば当直の刑事がいますから、きちんと話を聞く」
■大山容疑者が具体的な情報を提供しなかった可能性が高いのでは
ただ、今回の場合、大山容疑者が具体的な情報を提供しなかった可能性が高く、鳴海氏は大山容疑者が警察官に具体的な話をしたのか「疑問を持っている」といいます。
【鳴海達之氏】「具体的に、『いつなんだ、どこなんだ、どんな感じで殺したんだ、相手は誰なんだ』ということをはぐらかしたり、適当なこと言ったり、とぼけたりということをずっと繰り返していたんじゃないのかなと思うんですよね。
具体的な場所を言えばそこを案内してもらいます。そこに遺体があるのかどうかを確認するのが、まず一番最初にやらなきゃいけないことですから。その場所すら、おそらく話をしていないのではないかなと思います」
■「家に入るまで見届けなかった可能性は大いにある」
なぜ警察官は大山容疑者をたつの市の事件現場付近まで送り届けたのでしょうか。
鳴海氏の説明によれば、保護を打ち切る際には、保護対象者を受け取れる身柄引受人を呼ぶのが原則だということです。しかし、「大山容疑者にはそのような人物がいなかったのではないか」と推測します。
【鳴海達之氏】「『家はどこか?』と聞いたら、『たつの市のここです』と言うから、自宅まで送り届けて自宅の中に入れれば、もう安心じゃないですか。自宅に送り届けて、自宅の中に入れる。そこで保護は終わるんです」
ところが、送り届けた場所は約10年前まで大山容疑者が住んでいた場所付近で、近隣住民によると、現在は空き家になっているということです。
保護をした時点では、身分証明書などの「自分の身分を明らかにするものを持っており、たつの市の現場付近まで送り届けたが、その後の調べで家は空き家で、現在何をやっているのか、どこにいるのかが分からない状態なのではないか」と話します。
そのうえで、鳴海氏は「警察官が家に入るまで見届けなかった可能性は大いにある」と指摘。
関西テレビの江口茂解説デスクも「路上で寝ていた状態だったということなので、警察とのやり取りが要領を得ないものだったのかもしれない」と述べ、たつの市から数十キロ離れた高砂市での出来事であったことも、現場の警察官が事件との関連を疑いにくかった要因として挙げました。
■大山容疑者の特徴は
現在、大山賢二容疑者(42)は殺人の疑いで全国に指名手配されています。
特徴は以下の通りです。
・身長 約160cmの痩せ型
・黒髪、黒いキャップ帽
・黒縁メガネに白いマスク
・黒いショルダーバッグ
情報提供先:兵庫・たつの警察署(0791-63-0110)
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2026年5月25日放送)